2013年12月17日火曜日

8月9日(金) ニューヨークシティからバッファローへ ~アメリカ自然史博物館、バッファロー歓迎会~


  アメリカ自然史博物館

アロサウルスから
我が子を守るバロサウルス
バッファローに移動する前のわずかな時間を縫ってアメリカ自然史博物館(1869年設立)へ。この博物館は、哺乳類、魚類、鳥類のジオラマ、恐竜やマンモスなどの化石、隕石や宝石などの自然学的展示から、世界の民族の文化や歴史を紹介する人類学的展示など3,200万点もの収蔵物があるのですが、なかでも恐竜の展示がすごいというのでそれを目当てに行きました。場所はセントラルパークをはさんでメトロポリタンの反対側。玄関前にはすでに大勢の人が10時の開館を待っていました。入り口のセオドア・ルーズベルトホールに入ると、肉食恐竜アロサウルスからわが子を守ろうと後肢で立ちあがる草食恐竜バロサウルスの全身骨格標本が出迎えてくれました。骨盤や関節の構造などからこんなふうに立ち上がることは不可能だったともいわれているそうですが、天井近くまで迫る頸と後ろに長く伸びる尾は迫力満点です。
チケット売り場は大行列で焦りましが、シティパスのおかげで早く入場することができました。そしてアパトサウルスなどの竜脚類、アロサウルスなどの獣脚類が系統樹ごとに展示されているという4階の恐竜展示室へ。するとさっそくのティラノサウルス!アゴと頭が半端なく大きく、アゴには鋭い歯がいっぱい。これに噛みつかれたら恐竜でもひとたまりもなかったでしょう。片持ち梁の先端に錘をつけたように、頸の先に巨大な頭部、大きな骨盤と太い後肢、それに比べて前肢は肋骨ぐらいの細さでとても小さく指は2本しかありません。この全身骨格標本がレプリカでなくて本物の化石だというから驚きです。よく見ると頭部、頸、尾が水平になって足を踏み出している姿です。以前は、カンガルーのように尻尾を引きずり直立で歩く格好で展示されていたそうですが、のちに力学的分析から体を水平にして歩行していたことがわかり、現在の形でリニューアル展示されたそうです。

体を水平にして歩くティラノサウルス







このティラノサウルスを見ながら、
1998年に片平丁小学校の6年生が行った「発掘ワークショップ」を思い出していました。「倉庫から大量に見つかった不思議なモノを調べてそれが何かを解明してほしい」という科学館からの依頼という設定ではじまるこのワークショップでは、子どもたちは体育館に運び込まれたモノが何であるかを分析し仮説をたて、自分たちなりの答えを導き出していきます。モノは、ティラノサウルスとステゴサウルスの骨のひとつひとつをスタイロフォームでつくったもので、2体ともばらばらにして一緒に積み重ねておいたのですが、それが何かは子どもたちには内緒。それらを発掘し、試行錯誤で組み立てながらティラノサウルスとステゴサウルスであることを発見していきました。でもそのとき組み立てたティラノサウルスは直立歩行の姿だったのです。誰も実物を見たことがない古代生物、何が真実なのかわからないからこそおもしろい。そこに子どもたちの創造力と想像力が生かされるはず。これからもこんなワークショップができたらいいな、と思いました。

  バッファロー歓迎会
午後はニューヨークを離れてバッファローへ。バッファローでは、奥州街道の歴史的建造物の修復活動に寄付をいただいたアメリカ建築家協会バッファロー支部/ニューヨーク西部支部とバッファロー建築財団に対して直接御礼をいうことと、復興の過程と完成の状況について報告すること、バッファロー建築財団の「建築+教育委員会」によるワークショップを受けることが目的でした。ニューアーク空港からバッファロー空港まで、プロペラ機で1.5時間の移動のはずでしたが着陸許可がおりず、バッファロー上空を旋回することさらに1時間、着陸時には約50人の乗客から歓声と拍手が沸き起こりました。
到着したホテルのロビーでは、ワークショップを含めバッファロー滞在のすべてを段取りしていただいた「建築+教育委員会」委員長のリンジー・グラフさんにお会いしました。私たちのために歓迎会を開いてくれるというのです。会場はレストラン「ガブリエルズゲート」。ファサードに天使ガブリエルのモニュメントがある可愛い店でした。リンジーさんのほかに、ルーク・ジョンソンさん(建築家)、ナンシー・ケニーさん(建築家)、ナンシーさんのご主人のスティーブ・デルモンテさん(漫画家)が集まっていました。メインディッシュは、バッファロー名物「バッファロー ウイング」。これは鶏の手羽先をから揚げし、酢や香辛料をブレンドしたソースを絡めた料理だそうで、辛味の少ないものと辛味の強いものの2種類。これがビールとよく合うのです。ウイングをおつまみ感覚に、地ビールやギネスビールを味わいながら、とっぷり日が暮れるまで楽しいひとときを過ごすことができました。

レストラン「ガブリエルズゲート」

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