2013年12月8日日曜日

8月16日(金) クレイトン  ~アンティークボートミュージアムとさよならパーティー~


  アンティークボートミュージアム
今日は、メープルグローブからクレイトンに移動し、アンティークボートミュージアムへ。私たちは、アン先生、敦子さん、マークさん、ボートの乗組員4名と一緒にモーターボートに乗り込んで、約2時間のセントローレンス川クルーズに出発しました。快晴で気温26℃、ボートのスピードにより心地よい風が身体にあたりとても良い気分です。   
 セントローレンス川は五大湖水系の唯一の流出河川でセントローレンス湾から大西洋に流れ出ています。19世紀中期から商用輸送のための運河建設が五大湖周辺で次々に行われました。この地域は鉄鉱石、石炭、石灰石など豊富な天然資源を有しており、水路輸送の確立から、1950年頃まで特にアメリカ側で有数の工業地帯に成長していきました。重工業と並んで、五大湖周辺の経済を支えていたのは観光で、夏は冷涼であるため、避暑地、保養都市が点在しています。その中に1000アイランズがあります。
オンタリオ湖からセントローレンス川へ入ったところに大小1864の島々と他に数え切れない浅瀬や()がありますが、その一帯が1000アイランズと呼ばれています。
1000アイランズの島々にはコテージやキャンプ場をはじめとする避暑地が点在し、クルージング、フィッシング、ヨット、キャンプなど人々は夏の休暇を楽しんでいます。
この地域の人々とボートとの関わりは非常に強く、その歴史を「アンティークボートミュージアム」で見ることができます。

セントローレンス川と1000アイランズ
川の北岸はカナダの国旗、南岸にはアメリカの国旗がはためき、両岸と島々には有名スポーツ選手や大金持ちのコテージが建っているのが見られます。島の中の建物は、電気を引いたり、下水処理など建物建設費や維持をしていく方が土地購入費より高くなるらしい。
 冬は川が完全に凍結してしまうので、乗用車が通行可能になるとの事(大型トラックは不可)。豪華なアメリカを感じてクルーズを終了。11時、ジュリーさん(教育コーディネーター)の案内で展示室の見学をしました。
最初のコーナーでは小さなボートで大冒険をしたカヤックとカヌーが展示されていました。1866年、木製のカヤックでミシシッピー川まで1,600kmの旅をした人の話、また1980FRPのカヌーでクレイトンからアマゾン川まで19,000Kmの旅をした親子の話、この細長い船にどんな格好で寝たり、艪を漕いだりしていたのか想像をかきたてられました。
人々の楽しみは古くから行われていたモーターボートのレースだったようで、写真が多く展示されています。ボートの展示室には時代の古い順に小さなモーターの種類から、大きなクルーザーまで展示され、30年前に見た007の映画に出ていたのと同じようなモーターボートがピカピカに磨かれて展示されていて壮観!
ボートの展示室
 アンティークボートミュージアムは、グレーターアーキテクツ設計事務所で設計された1997年頃の建物。テッド・マスコットさんの自邸も同事務所の設計によるものです。
展示室から外に出て桟橋に浮かんでいる白い大きな水上建物(ボートハウス)の中を見学しました。パーティ用の大広間とホテルの用途を備えています。この水上建物は3日前見学したボルト城のオーナーだったジョージ・ボルト氏が作らせたものであり、その後持ち主が変わり、室内の改装工事が行われて展示されています。20世紀初頭、何日間も洋上パーティをした当時の富豪たちの様子を思いめぐらせるに充分でした。ボートハウスは独自では動かせませんが、タグボートに引かせて移動できるのだそうです。
隣の建物に移動。ここは船の工房でボートの製作の工程や、使用されている木の見本などを見せてもらいました。
1330分から、ボートのワークショップ開始。
ジュリーさんから「モーターボート」と「貨物船」の木製模型のパーツの入った袋を見せられ、各自好きな方を受け取りました。A4の紙に各パーツの形と部位の名前を全て描き出します。船の各部位がどんな名前かを確認し英語で記入します。deck,  engine,  tail fin,pilot hood ,・・etcそれが終わると金槌や木槌を使って船を組み立てます。
モーターボートの完成模型とパーツのスケッチ
それからもう1枚のA4の紙に完成したボートの平面図と立面図を原寸で描くというワークショップです。
13歳~14歳用のワークショップだということで、ジュリーさんから何か意見はないか聞かれました。私たちから、デザインできるところを組入れられないか、スケールをフリーにするのは難しいかなどの意見が出ました。模型つくりや図面描きは、私たちにとって疲れていた頭をリラックスさせたようで、各自オリジナルなアイデアも出て、皆さん楽しい時間になったようでした。



  さよならパーティ
午後は、セントローレンス川岸に建っている、アン先生ご夫妻のコテージへ。
岸辺に船着場と専用ビーチが見えました。お宅にお邪魔して落ち着きなくウロウロしていた私たちをセントローレンス川の2度目のクルーズに連れ出してもらいました。
心地よい川風に吹かれること約1時間。昨日伺ったテッドさんの家の船着場も川から見えました。クルーズから戻り、水着持参のメンバーは水泳を始めました。アン先生は、水着を持ってこなかった私たちにも御自分のクローゼットから、男性用、女性用の水着を出してきて勧めて下さるのですが、私たちにはかなりサイズも大きく、泳げない者には、断るのにとても困りました。それでもなんとか数名を除いてセントローレンス川で水泳を楽しみました。外気温に比べて水温が高いです。
徐々に夕陽が川辺に近くなり、空はピンク色に染まり始め、皆でデッキにもたれてアメリカの最後の夕陽を眺めました。
アン先生ご夫妻を囲んで/さよならパーティー
パーティには、メープルグローブオーナーのリン・テーラーさんご夫妻、テッド・マスコットさんご夫妻、アン先生・ダンさんご夫妻、マークさん、キャサリンさん等が来ておられ、私たちの最後の夕べを歓迎してくれました。
とれたてのトウモロコシとジャガイモのゆでたものや、セントローレンス川で釣れた3種類の魚のフライを大皿いっぱいに盛付けてディナーが始まりました。この料理はこの地方の伝統的な「Shore Dinner」(漁師のもてなし料理)とテッドさんが説明してくれました。野菜は本当においしかった。ディナーの終わり頃、私たちは感謝の気持ちを表そうと、滝廉太郎の「花」を合唱し、なかなか好評でした。
 デザートはフレンチトースト。これは日本のイメージとはちょっと違っていて、揚げたパンにたっぷりのメープルシロップとブランディーをかけていただくものでした。後片付けも含めて夕食は終了。
2週間もの長い旅、ずっと一緒にサポートして下さった、アン先生と敦子さんに感謝します。私たちはアン先生とこれからも一緒に活動を続けていきましょうと約束しました。

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