2019年10月17日(水)
仙台市三本松市民センターが主催する標記講座において、堤町まちかど博物館の六連の登り窯(2017年杜の都景観重要建造物等指定)の再生活動についてうかがいたいとの要望があり、センターに出かけてまいりました。参加者は、講座受講者と、登り窯を所有する佐大商店の佐藤邦子さんを含めて11名の方々。堤町まちかど博物館設立の経緯、震災前の活動、震災からの復興、震災後の活動について話をさせていただきました。
熱心に話を聞いてくださった参加者の皆さん |
<堤町まちかど博物館設立の経緯>
三本松市民センターさんとのコラボは、1994年の「こども建築教室」に遡ります。その後1997年に、「堤町親子探訪」をお手伝いすることになり、ルートを下見しているとき、佐大窯の登り窯(大正7年築造)と、窯元の佐藤達夫さん(堤町まちかど博物館初代館長・佐大商店前店主)に巡り合いました。達夫さんによると、1981年に廃業したあとも、いつかは町の資料館にしようと、登り窯と隣接する旧作業場、江戸時代からの堤焼や堤人形、つくりかけの焼物、釉薬、焼物道具、人形型など、堤焼や堤人形に関する一切のものに手を付けず大切に守ってきたのだそうです。しかし、この場所は、都市計画道路川内南小泉線(2013年廃止)の中にすっぽり入っていて、いずれ壊される運命にあると嘆いておられました。
その後私たちは、計画道路は10年後まで着手されないことを知り、その間だけでも、ここを整備し、資料館として公開したいという達夫さんの夢をかなえてあげようと活動をはじめました。
2001年6月、佐大商店、つつみのおひなっこや(博物館敷地内の堤人形工房)、150人を超える大学生や市民、ネットワーク仙台が力を合わせて清掃や展示物の整備に汗を流し、堤町まちかど博物館はオープンしました。
達夫さん(左端)から堤焼と登り窯の話を聞く |
博物館の開設準備に励む大学生たち |
<震災前の活動>
開館してからも、傷んでいた窯の土壁や上屋の屋根の修復を重ねていきました。2002年には、周囲が住宅街となった今では焼くことができない登り窯の代わりに、焼物が体験できる小さな窯を作りました。2003年には、敷地の北側に立っていた藩政時代の関税所役宅の御仲下改所(おすあいどころ・2001年夏解体)を記念した説明版を設置して博物館の展示に加えました。
博物館は、子どもから高齢者まで多くの人々に親しまれるようになりました。とりわけ、小学校(台原小、南小泉小、立町小、東長町小、沖野小、東二番丁小、八本松小、荒巻小等)の総合学習や子ども会活動としての焼物づくりや堤人形の絵付けなどの体験が盛んに行われるようになり、教育の場として活用されてきました。
登り窯の焚口脇に体験窯をつくる |
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焼物づくり体験ワークショップ |