建築と子供たちネットワーク仙台は、建築や都市のデザイン手法を用いて、子どもたちの創造力を培い、よりよい人工環境への意識の芽を育むための教育活動を実践するために、建築・デザイン関係の専門家、教師、自治体職員を中心に1993年に結成されたNPOです。活動の内容と手法は、「Architecture and Children」や「City Building Education」などの教育法をベースに独自に改良を加えたものです。
結成当初は、市民センターなどの公共施設やイベント会場での活動が中心でしたが、1997年以降、市内12の小学校において、まちや公園などをデザインする総合学習を実践するようになりました。
はじめは、コミュニティゲストのような形で短期間の授業を行っていましたが、次第に教師の授業パートナーとして一緒に指導計画を作るようになり、半年から2年という長期にわたる学習に関わるようになりました。
「かんきょうにやさしい町づくりー長町副都心計画ー」東長町小学校5年生(2000年) |
「南小泉たんけん2002地下鉄東西線プロジェクト」南小泉小学校6学年(2002年) |
2003年には、ネットワーク仙台と協働する小学校の教師との連絡協議会「教育デザイン会議」を立ち上げ、意見や情報を交換しながら、それぞれの学校の授業を実践するようになりました。
こうした学校での教育活動のほかに、仙台を南北に貫く奥州街道沿いの歴史的景観資源の保全と活用の活動を行ってきました。2001年、街道北部の堤町で、仙台の伝統的な焼物「堤焼」の遺構である登り窯を「堤町まちかど博物館」として整備しました。以来、登り窯の修復を行うなど歴史的景観資源を保全する活動を継続するとともに、複数の小学校の総合学習としてまち探検や焼物づくりを実施し、地域文化を学ぶ活動を毎年行っています。また、街道南部の南材木町において、仙台市景観重要建造物「旧丸木商店」の店蔵を保全・活用する活動も行っています。
「登り窯修復ワークショップ」堤町まちかど博物館(2002年) |
「昔の蔵をきれいにしよう!」仙台市景観重要建造物「旧丸木商店」(2010年) |
(2011.2.13)