2015年9月11日金曜日

音から絵へ 絵から詩へ 詩から曲へ~吉成小復興応援プロジェクト~


2015年9月8日(火)
吉成小復興応援プロジェクト4回目は「音から絵へ 絵から詩へ 詩から曲へ」と題した授業の前半部分「音から絵へ」を行いました。デザインのコンセプトは“被災した方々を励ます”としました。まず、個人活動で1枚のデザイン画を作成し、次にグループ活動で個人のデザイン画を5~6人分集めて大きな1枚のデザイン画を作成する活動に取り組みました。
授業の導入で、ニュージーランドの国旗デザインを国民投票で決めるという話題をパネルで示しながら説明すると、既にニュース等で知っている子どもも多く関心を持ってくれました。国旗デザインと復興応援のためのデザインには共通点があり、伝えたい思いをデザインすること、皆のためにデザインすることなどを確認して、良いデザインを生み出すための心の準備をしました。

◆1時限目~個人活動~
禅タングルの絵を拡大して描こう
はじめに7月14日の授業で描いた禅タングルの絵から1つを選び、それを拡大するイメージで27cm四方の画用紙へデザイン画を描きました。今回も前回描いた「らせん」「うず」「ランダム」などのパターンを意識して描くようにします。
下書きはせず、クレヨンで一気に仕上げます。クレヨンは3本の指で押さえるようにして持ち、白い部分も白いクレヨンで彩色し、全体的に塗り残しがないようにします。普段の授業では絵の具を使用することが多いそうで、クレヨンの久々の感触に新鮮さを感じた子どもも多かったようです。はじめは慎重に進めていましたが、次第にスピードも上がり、季節や朝夕の風景の違いなどもイメージしながら楽しそうに塗り重ねていき、40分後にはカラフルなデザイン画が完成しました。

◆2、3時限目~グループ活動~
みんなの絵を合わせると「わーステキ!」
個人で描いたデザイン画を集めて5~6人のグループで大きな1つのデザイン画を作成しました。手順は、①個人のデザイン画を集めて縦横のレイアウトを決める。②デザイン画の上にトレーシングペーパーを重ね、「海」「植物」「風」などのグループテーマに沿ったアウトライン(想いを伝える線)を2~3cmの太さで描く。線の数は5本まで。③トレーシングペーパーに描いたアウトラインの部分をデザイン画とともにはさみで切りとる。④切り取ったあとのグループのデザイン画を色付きのラシャ紙の上にのせて貼る。
トレーシングペーパーにアウトラインを描きます
最初の授業計画ではトレーシングペーパーに描いたアウトラインをボールペンで上からなぞり、下のデザイン画へ印をつけて切り取る予定でしたが、クレヨンの上のラインが見えづらいことから、急きょトレーシングペーパーごとデザイン画をカットするように変更しました。これは時間短縮にも役立ちました。
アウトラインを切り取ります
しかし、完成した直後にデザイン画を切り取ることは、デザイン画がパズルのようにバラバラになる感覚もあり、子どもたちにとっては緊張感がともなうのではないかと少し心配をしていました。ところが、子どもたちの方はすんなり受け入れ、手際よくラインを切り取る作業に取りくんでくれました。切り取ったデザイン画をラシャ紙の上に置くと、アウトラインが活きてばらばらだった絵がひとつにまとまり一層素敵さが増していました。あちこちから大人や子どもの感嘆の声が聞こえてきました。
さらに、切り取られたライン部分は、その形や色の面白さが子どもたちの興味を刺激し、ラシャ紙の余白部分やデザイン画の上に貼って活かすことになりました。

授業後の子どもたちの感想では、「一枚一枚は全く違うデザインなのに、集めて線を切り取ったら1つの絵になっておもしろかった」など、デザインの楽しさや不思議さを感じている様子が伝わりました。
みんなの作品が出来上がったよ
次は、担任の先生のご指導でグループのマインドマップを作成し、言葉を選んでつなぎながら「短い詩」をつくります。そして、いよいよ9月29日には作曲家の酒井知子さんを招いて復興応援を伝える「曲」づくりを行います。子どもたちの手作り楽器も活用することになっています。一連の学習のフィナーレはもうすぐ。どのような音が奏でられるのか今からとても楽しみです。