2013年6月30日日曜日

台原小学校土鈴づくり窯出しワークショップ


  2013611日(火)・626日(水)
粘土を叩いて平らにのばします
 611日は朝から少し湿気のある曇り空。台原小学校3年生76名(2クラス)は、堤焼の土鈴づくりを体験しました。皆元気に体育館に集合。講師は「堤人形作家」の佐藤吉夫師匠と佐藤明彦師匠のお二人です。始めに明彦師匠から土鈴の作り方を実際に見せてもらいました。新聞紙をまるめ、あらかじめもらっていた土玉を入れ、叩いて平らにした粘土で包んで、自分の好きな形に整えていくという方法です。「はじめ!」の号令の後、バタンバタンと粘土を叩く音が鳴り響きました。本日は湿気のあるせいか粘土のひび割れをおこすような子もいず、各自好きな形に完成。自分の名前を入れて終了しました。これから2週間乾燥させ窯で焼いてもらいます。
626日窯出しの日。930分になると台原小学校の3年生が堤町に歩いてやってきました。
渋谷代表と佐藤吉夫師匠のお話の後、1組と2組に分かれて登り窯グループと「まちかど博物館」グループで、それぞれの場所を交代で見学しました。
博物館の中の水がめや、穴の沢山あいた瀬戸物の鉢、磁器の流し台、トキン(木の門柱の頭に載せて使う)など今の時代にない物に説明を受け、想像をめぐらせている様子。理解出来たかな。
登り窯を見学した後、窯の形であるアーチの力の伝わり方を、身体を使って体験。
最後に窯出しです。師匠は窯の中から1つ1つ丁寧に土鈴を取り出し、子どもたちみんなの手でリレーして広場に並べられました。割れたりした土鈴はなくほっとしました。

堤焼のカメの見学
カメは地震で壊れないように伏せてあります
窯の中には焼きあがった土鈴がいっぱい

2013年6月18日火曜日

平成25年度都市景観大賞「景観教育・普及啓発部門」大賞(国土交通大臣賞)受賞




   建築と子供たちネットワーク仙台は、「子どもが参画する歴史的建造物の景観再生プロジェクト-出会いから震災復興まで-」と題して、堤町の登り窯や南材木町の旧丸木商店店蔵における保全・活用並びに震災後の修復活動などを、平成25年度都市景観大賞「景観教育・普及啓発部門」(「都市景観の日」実行委員会主催)に応募しておりましたが、このたび大賞(国土交通大臣賞)をいただくことができました。平成23年度都市景観大賞「景観教育・普及啓発部門」の優秀賞に引き続いてのうれしい受賞となりました。

614日、「まちづくりと景観を考える全国大会」(主催:まちづくり月間全国的行事実行委員会、「都市景観の日」実行委員会 会場:東京都文京区 すまい・るホール)にて表彰状をいただくとともに、活動事例を発表してまいりました。

これも、これまで活動を共にしてきた、佐大商店、つつみのおひなっこや、マルキなど歴史的建造物所有者並びに地域の方々、台原小学校、吉成小学校、南材木町小学校をはじめとする学校関係者の方々、修復作業に参加していただいた子どもたち60名を含む延べ430名の皆様、助成金を支援していただいた各団体・個人の方々、仙台市の景観や文化財のご担当の方々ほか多くの皆様の支えがあればこその受賞であると思います。心より感謝申し上げます。


<審査講評>
20年にわたる活動は実績もあり仙台市の教育プログラムの中にもすっかり定着している。特徴的なことは、他地域で多く見られるゲストティーチャ―派遣型ではなく、単元そのものを現場教師と作り上げていく点である。基本的なプログラムをもとにしながら学校ごとにオリジナルが生まれるのは、そういうかかわり方があるからだろう。専門家の知識や経験の提供だけではなく、サポートしながら共に作り上げていくところが、若手教員の育成など学校現場のニーズに対応できるようになっている。

歴史的建造物の保全保護に関しては、地域の子供たちが保全に参加することで、所有者は所持する建造物に教材としての価値を見出し、地域財産として認識し、維持することにしたという。また、関わった子供たちが自ら手を加えたことで地域の歴史的建造物に愛着を持てるようになっている。

また、行政関係者もメンバーに加わっていることから保護・助成・各種指定に関する情報や必要性、価値などの情報が迅速に伝えられ対応できているようである。専門家、学校関係者、歴史的建造物所有者、地域住民の関係一方的な提供者と享受者の関係とならず、お互いに補填しあっている関係性が築かれている。継続性、連携の在り方、教育内容を総合的にみても完成度の高い活動として、大賞に値すると思われる。