2011年6月30日木曜日

平成23年度の事業計画

2011年3月11日に発生した東日本大震災により、ネットワーク仙台が長く活動してきた仙台奥州街道沿いの歴史的建造物も甚大な被害を受けました。堤町まちかど博物館(仙台市青葉区堤町)では六連の登り窯の三連が倒壊し、旧丸木商店の店蔵は白壁にひび割れが入り一部は崩落しました。

今年度の活動は、こうした歴史的建造物の復興を応援する活動を中心に行います。










1)ワークショップ「土鈴をつくろう」
 ○対象:台原小学校3年生
 ○内容:堤人形職人の手ほどきを受けながら土鈴をつくるワークショップを行います。
 ○期日:平成23年6月7日(火)、7月5日(火)
 ○会場:台原小学校、堤町まちかど博物館


2)ワークショップ 「震災で壊れた登り窯のれんがをきれいにしよう!」
 ○ 内容:東日本大震災により半壊した堤焼の登り窯の復興を目指し、第一段階として崩壊したレンガを清掃し使用可能な状態とするワークショップを実施します。また、7月26日、堤町まちかど博物館に新設した御仲下改所(おすあいどころ・藩制時代の関税所)跡の記念板の除幕式を行います。
 ○期日:平成23年7月26日(火)、7月30日(土)
 ○会場:堤町まちかど博物館


3)ワークショップ「自然のヒミツを見つけよう」
 ○対象:太白マイスクール児童館
 ○内容:太白小の校庭からお気に入りの植物等を見つけ、ルーペを使って観察しながらデザインするワークショップを通して、自然にひそむ機能性や美しさを発見します。
 ○期日:平成23年8月23日(火)
 ○会場:太白マイスクール児童館(太白小内)


4)総合学習「蔵のファサードをデザインしよう」
 ○内容:南材木町小3学年と連携して、東日本大震災で被災した旧丸木商店の復興を目指 し、店蔵(天明元年建築)のファサードをデザインする総合学習を実践します。
 ○期日:平成23年9月(予定)
 ○会場:南材木町小


5)歴史的建造物を『伝える』活動展覧会
  +同時開催「JIAゴールデンキューブ賞応募作品巡回展
○ 内容:東日本大震災で被災した堤焼の登り窯や旧丸木商店店蔵など、仙台奥州街道沿いの歴史的建造物を守る活動や、今なお残る仙台の隠れた名所を再発見する取組みについて、パネル展示します。また、建築やまちづくりの教育活動や教材を表彰する「JIAゴールデンキューブ賞」の応募作品を展示します。
○ 期日:平成23年9月30日(金)~10月5日(水)10:00~17:00
    「JIAゴールデンキューブ賞」展は10月2日から5日まで
○ 会場:東北工業大学一番町ロビー 1階ギャラリー
○ 主催・共催:建築と子供たちネットワーク仙台、教育デザイン会議、
まち遺産ネット仙台、東北工業大学、東北文化学園大学


6)歴史的建造物を『伝える』デザインウイーク 
 ―まち遺産を歩いて、花と杜の散歩マップをつくろう―
○ 内容:近代開発がすすむ一方で、震災をも被った仙台のまち。それでも『まち遺産』を丹念に散策してみると、まだまだ魅力はいっぱい。今回は青葉区まちづくり助成を受けて、市民とともに「花と杜の散歩みち」を再発見してきた活動経過を報じます。身の回りのまち遺産を大切にし、心を豊かにするまちづくりについて話し合います。
○ 期日:平成23年10月1日(土)14:00~17:00
○ 会場:東北工業大学一番町ロビー 1階ギャラリー
○ 主催・共催:まち遺産ネット仙台、建築と子供たちネットワーク仙台、
東北工業大学、東北文化学園大学


7)歴史的建造物を『伝える』デザインウイーク
 -昔の建物にふれ、学び、未来をデザインする力を育もう―
 「建築と子供たち」の提唱者アン・テーラー博士を迎えて、昔の建物を活かしたデザイン学習をテーマに、デザイン体験、講演、ディスカッショなどを行います。


<ワークショップ>
○ 期日:平成23年10月2日(日)10:00~12:00
○ 内容:自然のパターンなどを使って奥州街道の昔の建物をデザインします。
○ 講師:酒井敦子(テーラー博士とともに「建築と子供たち」を実践する米国ニューメキシコ州在住の建築家)
○ 募集人数:30名
<シンポジウム>
○ 期日:平成23年10月2日(日)13:30~17:30
○ 内容:「建築と子供たち」の理念と哲学や、米国や日本各地の「建築と子供たち」の取り組みについての講演と、昔の建物と持続可能な暮らしや創造的教育とのつながりなどについて話し合います。
○ 講師:アン・テーラー博士(建築と子供たち提唱者、前米国ニューメキシコ大学教授)
   稲葉武司(建築と子供たちネットワークジャパン代表幹事)
   酒井敦子
○募集人数:60名
<申し込み方法>
Fax 022-244-0104 9月20日まで先着順
<会場>
東北工業大学一番町ロビー 4階ホール
<主催・共催>
建築と子供たちネットワーク仙台、教育デザイン会議、
まち遺産ネット仙台、東北工業大学、東北文化学園大学




8)ワークショップ「堤人形に絵付けしよう」
○ 内容:堤人形の干支人形に絵付けをする親子参加のワークショップを行います。
○ 期日:平成23年10月29日(土)
○ 会場:堤町まちかど博物館


9)ワークショップ「こけしのお雛様に絵付けしよう」
○ 内容:こけしのお雛様に絵付けをする親子参加のワークショップを行います。
○ 期日:平成24年3月3日(土)
○ 会場:堤町まちかど博物館


10)昔の建物を応援しようエコバッグ製作 
○ 内容:「仙台奥州街道建築たんけんガイドブック デザインで遊ぼう」の表紙デザインを描いたエコバッグを製作します。⇒完成しました

都市景観大賞で優秀賞をいただきました

建築と子供たちネットワーク仙台の17年間の活動が、
平成23年都市景観大賞の「景観教育・普及啓発部門」で優秀賞をいただきました!

*財団法人都市づくりパブリックデザインセンター
「平成23年度都市景観大賞」へのリンク

これも一重にこれまで長年支え、応援していただきましたみなさん
のおかげです。この場を借りてお礼申し上げます。


都市景観大賞(主催:「都市景観の日」実行委員会)は、都市景観に対する市民の関心を高めることを目的に平成3年度に創設されました。部門賞には、「都市景観100選」や「美しいまちなみ賞」などがあり、より良い都市景観づくりに貢献してきた経緯があります。平成23年より、都市景観大賞「景観教育・普及啓発部門」が創設されることを受け、本団体として、これまでの活動をまとめて申請することといたしました。
以下に、提出した書類に記述した「受賞した際のアピールポイント」を紹介します。

【アピールポイント】
「未来のまちを担う子供たちに、よりよい景観まちづくりへの意識の芽を育くみたい。」そんな想いを共有する仲間が集まり、建築や都市の創造的なデザイン手法を使った教育プログラムを作成し、「未来のまちのデザイン」や「歴史的建造物保全・活用ワークショップ」などの活動を続けてきました。17年間の活動の中で子どもたちひとり一人の心に蒔いてきた「まち想いの種」が、やがて芽を出しひろがっていく。そうした活動を大事にして、学校、地域、公共施設や様々な団体と協働しながら、よりよい景観まちづくりの担い手を育てていくことが私たちの願いです。

デザインで遊ぼう〜仙台奥州街道建築たんけん〜

「デザインで遊ぼう 
 仙台奥州街道建築たんけんガイドブック 
 -まち歩きからデザイン学習まで-」発刊

Sendai Historic Route Oshu
Waiking Tour and Design Study







平成22年度、(財)宮城県建築住宅センター、(財)みやぎ建設総合センター、(社)宮城県建設業協会、(社)仙台建設業協会からの助成支援を受けて、「デザインで遊ぼう 仙台奥州街道建築たんけんガイドブック -まち歩きからデザイン学習まで-」の本が完成しました。

この本の目的は大きく二つあります。
ひとつは、昔の建物を楽しみながら見て歩けるマップを作ること、もうひとつは、関連したデザイン学習プログラムを提案することです。本の中身は、マップ編、プログラム編と分けて構成しました。

マップ編では仙台奥州街道のうちでも歴史的建造物が多く残ってる北部と南部を中心に、建造物などの位置がプロットされた地図とそれらの建物のみどころを紹介しています。

プログラム編では、建造物のひみつや工夫を学んだり、デザインをするなど10編のプログラムが絵や写真を用いて楽しく構成されています。特にプログラム編は、これまでの建築と子供たちの活動や手法が生かされたプログラムになっているかと思います。

制作期間の約1年の間、毎週のように打ち合わせをし試行錯誤を重ね今年4月に発行できるまでに至りました。3月11日に発生した東日本大震災で何もかもが変わってしまったように思います。そのような中で、歴史の中で変わらずに残ってきたものには力を感じ、先人達の知恵や美を知ることができます。復興には長い時間が必要かと思いますが、多くの人にこの本を手にとって頂きまちを探検しながら笑顔がこぼれる日が少しでも早く訪れることを願っております。


「仙台奥州街道建築たんけんエコバック」製作
カラー:桑の実色(紫)
カラー:さび朱(茶)


「デザインで遊ぼう 仙台奥州街道建築たんけんガイドブック-まち歩きからデザイン学習まで-」の表紙をあしらったエコバッグを製作しました。