昨年度に引き続き吉成小学校6年生の震災復興学習をお手伝いすることになりました。今年度の6年生66名が取り組むのは総合学習「復興応援プロジェクト」。学校では、被災した方々を元気にするようなマガジンをつくることを最終目標に、伝統野菜の仙台白菜を題材にしたデザイン学習など昨年以上に活動を充実させたいという希望を持っていました。それならば、「仙台白菜を学校菜園で育てる」「育てた白菜の断面図を描く」「その断面図をもとにLEDを使った灯ろうをつくる」「灯ろうを仮設住宅に飾って被災した方々を励ます」といった活動の骨子を提案。さっそく、この学習を実現するための方法を話し合うことになりました。その中で一番の課題として挙げられたのが「白菜づくりが校庭の片隅で本当にできるのか」ということでした。そこで兼ねてより親交のあった宮城県農業大学校の浅野伸一先生に学校菜園を見ていただくことになりました。菜園の土を手に取ってみた浅野先生は「ほとんど砂だね。でも堆肥を入れれば何とかなりそう」とのこと。これで大船に乗った気持ちに。土づくりが行われたのはそれからまもなくのことでした。
6月から授業がスタートすると、「仙台伝統野菜生産振興会」の萱場哲男さん、「食の学人(まなびと)の会」の高橋信荘先生(明成高校)、「メカトロで遊ぶ会」の岩本正敏先生(東北学院大学)など大勢の方々が子どもたちの学習を支援することになりました。こうした人と人のネットワークがつながって、子どもたちは自ら進んで白菜を育て、とれたての白菜を味わっていただいたり白菜をデザインした灯ろうを灯したりして仮設住宅の方々を励まし、白菜の栽培リレーで他の地域の子どもたちと交流するという私たちの想像をはるかに超えた素晴らしい総合学習となったのです。そうした学習の概要を以下に紹介します。