六郷小学校3年生137名は、六郷の音をデザインする学習に取り組むことになりました。今日は授業の初回、六郷地域をたんけんして、気になる音を拾ってくる活動です。
その後、まちたんけんスタート。小学校から
西側〔今泉・上飯田(梅塚公園〜馬洗場公園〜佐藤さんの田んぼ)〕と、東側〔下飯田(用水路〜高橋さん宅〜薬師堂)〕の 2コースに分かれました。
西側のコース(2組・4組)の子どもたちが、最初に向かったのは梅塚公園。仙台市教育局文化財課の大友さんから説明を受けました。公園の中心には小高く盛り上がった場所があり、それが公園の名前の由来となっている「梅塚」です。てっぺんに梅の木が植えられています。これは古墳(円墳)であること、豪農だった大友氏が武士だったころ、戦いに敗れて武具などをここに埋めたことで「埋塚」と呼ばれ、やがて「梅塚」となったことなど、興味深い歴史を知ることができました。そして、鳥の鳴き声や風の音を聴いたり、聴診器を使って、木の中の音、滑り台の金属の中を響く音などを聴いてその場でスケッチしていきました。梅塚公園の近くに馬洗場公園という細長い公園があり、この公園に沿って今泉用水路という堀があります。昔、この堀で農耕馬の体を洗ったのだそうです。
「梅塚」は古墳だった! |
馬の体を洗った堀の音を聴く |
今日は晴天ですが、昨日まで雨が降っていたので田んぼの中は泥んこ状態、子どもたちはすっかり泥だらけになりました。大はしゃぎしながらも、ずぼずぼ、ぬるっといった田んぼに入ったときの音や、脇の水路に足を入れたときのざばざばとした水の音など思い思いの音を拾えたようです。
泥の感触を味わいながら音を拾う |
東側のコース(1組・3組)は、はじめに門暮橋(もんくればし)という小さな橋の袂を流れる用水路に向かいました。水路の中には小魚やザリガニも見えて子どもたちは大喜び。さっそく水音を聴いたり、鳥の鳴き声に耳を澄ましたりと、1か所目から積極的に音を探しました。
次に高橋さんの家へ。高橋さんから「この地域では、イグネといって家の周りに木を植えてその木で自分の家を造り、畑や田んぼで作物を作って自分で食べる暮らしをしていた。作業場は昭和8年の建物で85歳。いまはトラクターなど耕運機が入っているけれど、昔は牛や馬を飼っていたところ。もう一つの建物は鶏や牛馬の糞とワラや草で堆肥を作る場所だった。お天道様は神様みたいで、手を合わせて作業している」と聞き、昔の暮らしや農家の人の想いを聞くことができました。
ネットワーク仙台からは、作業場の太い梁のおかげで軒が深く、皆が入れるくらいの日陰ができていることを話しました。子どもたちはここで、作業場の柱や壁の中の音や、田んぼの稲の上を渡る風の音など、気になる音をスケッチしていました。
田んぼの真中に立つ薬師堂 |
田んぼの真ん中に木立に囲まれて立っている薬師堂。到着すると海からの風が心地よくほっと一息。文化財課の及川さんから説明を聞きました。「180年前の江戸時代に海を渡ってきた仏像が、いまの国分寺の薬師堂に向かう途中この場所に立ち寄ったことから、ここにもお堂が建てられた。仏像は薬師如来で左手には『何でも治す薬』を持っている。当時は災害、病気などが蔓延していたが、薬師如来のおかげで六郷が平和になったという言い伝えがある」ということでした。お堂は70年前、古墳(高さ約2Mの円墳)の上に建てられたものだそうです。 古墳の中はまだ調査されていませんが、ここから200M先にはコップのような形をした埴輪が出てきたので、この下にもあるかも知れないと話していました。
子どもたちは、順番に並んで鰐口を鳴らしたり、鐘楼の中や外、木、地面と聴診器を当て聴きいってメモを走らせていました。
鰐口を鳴らしてみよう |
たんけんを終えて学校に戻ると、忘れないうちに拾ってきた音の整理しました。どこで拾った音か、それは何の音か、どのような感じに聞こえたか、メモを見て思い出しながらスケッチを完成させていきました。次回は今回拾ってきた音を元にして、デザインを進めていきます。
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