2015年11月10日火曜日

音から絵へ 絵から詩へ 詩から曲へ2~吉成小復興応援プロジェクト


2015929日(火)
子どもたちが作った手作り楽器
吉成小復興応援プロジェクト5回目は「音から絵へ 絵から詩へ 詩から曲へ」と題した授業の後半部分「詩から曲へ」を吉成小学校の音楽室で行いました。子どもたちは98日の授業の後、グループ毎にマインドマップを作成、そこから言葉を選び短い詩を作成しています。また今回の授業のために、空き缶、ペットボトル、小石、小枝等、77日のバスツアーで探してきた音の出る素材や身の回りのものを使って作られた手作り楽器を持参して授業に臨みました。
今回は、作曲家の酒井知子さんをお招きし、ご自身の作曲活動の中から実際のCMや作曲の仕事を通して曲がどのようにして作られるのか、曲作りで大切なこと等をお話して頂いた後、作業の手順について説明して頂き、その後グループに分かれて曲を作るというという流れで授業が進められました。

●曲がどのようにして作られるのか、曲作りで大切なこと
最初にスクリーンに現れたのはCMキャラクターが楽しそうに鼻歌を歌っている映像です。企業のキャラクターからイメージを膨らませCMの曲を作ったそうです。ほほえましいキャラクターに子ども達の緊張も解けていきました。
声質の変化で全体の雰囲気を表現した例としては、温水器のCMを紹介して頂きました。CMの中では「お湯~。お湯~。」という少し震えたような面白い声で合唱しています。子ども達からも思わず笑い声があふれ「お湯~!」と真似し始める子どもいました。全体のイメージは、水の透明感や水輪のプルプル感からイメージしたそうです。
詩「雪だるまの一生」からイメージした曲では、背景のイメージ(真っ白、静けさ等)と感情イメージ(生命を受けた喜び、消えていく寂しさ等)を考えて曲を制作したそうです。曲はピアノだけで表現されていましたが、ひとつの楽器でも音の高低や音の厚み、リズム、響きなどで表現の変化がつけられるということを教えて頂きました。
他にも、イントロ(前奏)は曲を聴く準備、アウトロ(後奏)は余韻として曲にどのような印象を残すかということで重要だという話や、擬態語や擬声語を効果的に使うことで、歌と音楽に一体感をつくることができるなど貴重な話をして頂きました。
コロちゃんコロッケに変身!!
 作業の説明に入る前に突然酒井さんから子どもたちに重大発表がありました。吉成小学校の先生がコロッケ屋さんをオープンするという話です。もちろんフィクションですが。突然の話に先生も驚いていましたがコロッケの顔のお面をかぶってコロッケ屋さんになりきります。先生のためにCMをつくろうという設定で、「楽しい」「転がる」「キャッチーな音楽」というキーワードが掲げられ、酒井さんの指導のもと、メロディー、ベース、リズムの3つのチームに分かれて演奏しました。

●活動の進め方について
言葉をどのような音にするか記号や絵で表現してみよう
今回の作業の手順は、以下の4つです。
1.  音楽のイメージづくり
2.  詩の言葉の表現を決める
3.  効果的に音を加える
4.  イントロ・アウトロをつける
「涙をふいて 空見上げれば うろこ雲の道が 続いている」という詩を例に、どのように作曲して行ったらよいか説明して頂きました。1では言葉から曲のテーマや全体のイメージ、流れの変化を考えます。2では詩の言葉を分解し、キーワードになる言葉、1音1音の動き、強弱、表情、声質、誰が、どのようにというようなことを決めていきます。表現方法は自分たちがわかる記号や絵で記入していきます。3ではコーラスのみで演奏したものを聴いた後、効果音や楽器が少しずつ増えていく過程を聴かせて頂きました。徐々にダイナミックな表現になっていくのを子どもたちは感じていたと思います。最後にピアノでイントロ・アウトロを加えたものを聴かせて頂きました。

●曲をつくろう
グループで曲作り
曲を作る際、手作り楽器以外にも音楽室にある楽器を自由に使っても良いとの説明がありました。音楽室の広さと楽器の数量が限られているため、1組、2組の順番で作業を行うことになりました。作業は一緒に詩を作成した56人のグループに分かれて行います。あらかじめ配られた紙にはグループで作った詩がひらがなで上段に書かれ、下6段には担当する人の名前、声や楽器の種類、強弱や表現方法など自由に記入できるようになっています。
はじめ子どもたちは何をしてよいのかわからない様子でしたが、詩の内容を話し合いながら詩のキーワードが何なのか話し始め、好きな楽器を持ち寄りどんな音がでるか奏でてみたり、誰が担当するかどのように表現したらいいか決めていくと少しずつ全体の形が見えてきました。
できた曲を発表
最後にそれぞれの班で作ったものを発表し録音する場が設けられました。表現方法がほぼ決まっているグループ、ほとんど何も決まっていないグループなど様々で心配でしたが、ほとんど決まっていないグループも最後に力を発揮し全グループが発表することができました。今回は限られた時間の中での発表でしたが、別途時間を設け曲を完成させることになっています。他のグループの演奏を聴いてさらに意欲が増している様子もみられたので完成した曲がどのようになるのかとても楽しみです。

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