2021年11月18日木曜日

禅タングルでパターンをデザインしよう!|建築と子供たちオンラインワークショップ

 <禅タングルでパターンをデザインしよう!>

2021年10月10日(日) 10:30~12:00 

デザインパターンの2回目は、「禅タングルでパターンをデザインしよう」です。

禅タングルは、小さい紙の上にペンで線画を描いていくアート技法で、無心に描いていくうちに禅の瞑想の世界が広がるのだそうです。

ここでは禅タングルの手法を用いて、10㎝四方の白い紙の上にお気に入りのパターンを使ってデザインすることにしました。

参加者は、仙台、大阪、名古屋、シンガポールからの大人14名、小学2年生1名の計15名。全員、葉っぱや小枝などの自然物の実物か写真を持ってくることが宿題として出されていました。

それらをルーペや虫メガネなどで拡大してよく観察し、いろいろなパターンを見つけ出すことにしましたが、すでに多くの方が、放射、分岐、リズムと繰り返し、蛇状直線などのパターンを見つけてきた様子です。

いよいよそれらのパターンを使って禅タングルでデザインするときがきました。まず、端から1㎝内側の四隅に点をうちます。次に点と点を結んで線で囲み、その中に描いていきます。

ペンはマーカー1本ですが、描き方によって太くしたり細くしたり、実線にしたり点線にするなど様々な線を使いわけることができます。さっそく順調に描いていきましたが、途中「線を描いたら、ポシェを使って明暗や陰影をつけてみてください」という天の声が。「えーっ」と驚きの声を上げながらも慣れた手つきでペンを走らせる方もいました。

静寂の時間が過ぎていよいよ発表の時間。出来上がった作品はポシェを使ったことで立体感が出ていました。また、2種類のパターンを組み合わせたものや、点々などで飾りをつけたものなど様々な工夫がみられました。

ポシェのいろいろ

放射

放射・分岐

対称・繰り返し

リズムと繰り返し
準備物
10㎝四方の白い紙2枚、葉っぱなどの自然物か写真、黒マーカー(細目)orサインペン

参加者のアンケートから(抜粋)
  • まじまじと葉っぱを見て観察したのはおそらく初めてかも。よく見たらいろんなパターンが隠れているという発見もありました。パターンを決めたあとはひたすら線を描きました。自分でもまあまあ描けたつもりですが、誰かが言っていたようにもう一段階上に登るにはちょっと時間がかかりそうです。
  • デザインすること、手を動かすこと自体は楽しかったのですが、アイデアをカタチにする作業は、やはり訓練が必要なんだな、と実感しました。でも植物のフォルムまたはディテールからデザインアイデアの種を見つけてくるのは楽しいです。
  • 今の今まで、稲というものをよく見たことが無かったことに気づかされました。このプログラムには、物を見る目を育てる、自然物から何らかのパターンをさぐりあてる、それを使って二次元の限られた範囲を美しく構成する、さらにそれらを装飾して自分の世界を表現する、というすごい内容が詰まっていると思いました。
  • ひとつの物体のなかに、いろいろなパターンが発見できたのが面白かったとともに、そのパターンをどう展開するのか?なかなか右脳を刺激される感じでした。
  • 初心者からデザインの専門家まで気軽に楽しめる作業だと思いました。ただ、できる人とできない人の差が表れやすいので、レベルに応じた対応が必要だと感じました。
  • 遅刻にて要領がよく解っていなく直訳になってしまいました。他の皆様の素敵なパターン抽出と組み合わせに驚きました。
  • 純粋に楽しかったし夢中になりました。絵を描くというのとは違った感覚が良いですね。ただ「パターン」というものをどのように考えると良いのか、パターンをどう生かすのか、なんとなく分かったようで分からないところもあり迷いました。曖昧でいいのであればそれで良いのですが若干気がかりでした。
  • 小学2年生の息子と3度目の受講になります。前日に落ち葉やどんぐりなどを公園で拾いました。前回のパターンを思い出して話しながら、考えながら探すのが楽しかったようです。木の葉をモチーフにデザインに取り組みました。 葉の周囲のギザギザを感じ取りスケッチ。 そこから作品に応用するのが難しかったようで、こちらでパターンを描きました。 その際の声掛けがうまくできれば、もっと子どもが主体的に最後まで自分で仕上げられたのではと反省しました。作品については、子供が気付いた葉のギザギザを活かしました。 形や葉脈ではなく、触覚で読み取ったイメージに注目したのが面白いと感じました。 自分の方は、葉脈を簡略化してパターンとしました。 四角の底辺中央をスタート地点としましたが、角から始めたり角度を持たせたりしてみても面白そうだと思いました。

デザインパターンのいろいろ ~自然の中のパターンを使ってデザインしてみよう~|建築と子供たちオンラインワークショップ

 <デザインパターンのいろいろ
 ~自然の中のパターンを使ってデザインしてみよう~>

オンラインワークショップの第二弾は、デザインの構成的原理(ここではデザインパターン)を使った、「デザインパターンってなあに?」と、「禅タングルでパターンをデザインしよう!」の2回の連続講座(指導:永野ますみさん)です。

自然にあるものをよく見ると、らせん、放射、分岐、対称、格子、直線(垂直、水平、対角、平行、蛇状を含む)、ランダム、リズムと繰り返し、ポジティブフォームとネガティブスペースなどのパターンを見つけることができます。このワークショップでは、自然のなかにいろいろなパターンがあることや、それが建築にもインスピレーションを与えていることに気づくこと、そして、これらのパターンを使ったデザインを体験します。

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デザインの構成的原理とは(by酒井敦子さん)
デザインの構成的原理(Organizing Principles of Design)は、物事の秩序や仕組み、デザインの形や構成を“整理整頓する(organize)”ための原理のことです。
一見ランダムで適当に思いつくままにデザインされているように思われがちですが、実際は、組織的、または体系的に考えることが大切で、その多くが自然に由来しています。
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<デザインパターンってなあに?>
 2021年9月23日(木)10:30~12:00

1回目は、仙台、大阪、名古屋、新潟から、大人14名、小学2年生1名、小学6年生1名、中学2年生1名の計17名が参加しました。
はじめに自然物にある様々なパターンとそれらがどのように建築に使われているかを動画やパワポで視聴しました。その後、5㎝四方の黒い紙を使って、A3の白い紙の上に3種類のパターン(らせん、放射、分岐)でデザインしていく活動を行いました。黒い紙は、2次元の平面でも、折って3次元の立体にしてもよいことにしました。
まずは、らせん、放射、分岐の形に順に黒い紙を並べてみる練習から。練習が終わると今度は気に入ったものを選んでノリで貼っていく作業です。最初は戸惑いながら、しかしやっているうちに段々と面白くなり。そうこうするうちに出来上がってきました。そして、一人ひとり工夫した点、気に入った点など作品を掲げながら発表しました。

分岐

放射

らせん

準備物
5㎝四方の黒い紙30枚、A3サイズの白い紙1枚、スティックのり、黒マーカー(細目)orサインペン

参加者のアンケートから(抜粋)
  • 繰り返しのパターンにも、向きや折り方でいろいろ変化がつけられるし、それが感じるままに表現していいことがよかったです!
  • 身近な自然が、デザインパターンを学んで見ると細かいところまで気になるのが面白かったです!
  • 放射など色々なデザインを学べて勉強になったし楽しかったです。
  • 回を追うごとに自分の思考のクセが見えてきて、それもまた楽しいです。でもやはり、子どもの発想は楽しい。
  • 最初は放射にしようと思ったが、並べているうちにらせんに変更。貼っていくうちに白い部分の形も気になり出した。前回のポジティブフォームとネガティブスペースのこと思い出しました。白い部分の形も意外と気に入ってます。
  • 自然界からパターンを読みとって、デザインを考えるって面白い発想ですね。また、自然界は有機的な形状なのに正方形の紙で表現するというところが、また面白かったです。
  • デザインと想像力は無限だなと毎回、実感させられます。年齢を問わず、デザインの基礎を学習するよい課題だと思いましたが、やはり子どもたちに体験してもらいたいなと思いました。
  • 前回に引き続き、小学2年生の息子と参加しました。動画でデザインパターンの例を見た時に、自然物など身近な形でしたので、実感し易かったようです。受講後も生活の中でパターンを見つけては教えてくれるようになりました。息子は、沢山のパーツを並べていく作業が楽しかったそうです。絵や線を描くのは難しいけれど、並べることで簡単に形や連続性などを表現できるのが良かったのかなと思います。
  • 久しぶりにデザインのワークショップに参加し、子供たちと取り組んでいた頃を思い出しました。オンラインでもできるんだと分かったことが収穫です。そして、建築と子供たちのカリキュラムがSTEAM教育だと改めて気付くことができたのも収穫でした。手を動かして作品をつくるのは理屈抜きで楽しいです。
  • 建築の「形態操作」をいくつかの単純なルールで置き換えて、その繰り返し方や組み合わせ方法で過去の現代建築を分析し、どのようにできているかを修士論文でやったことを思い出しました。当時はパターンランゲージや、ウィリアムミッチェルの形態生成論にはまっていまして。 今更ながら、テイラーさんの子どもの感性を引き出すプログラムの中に、非常に論理的な方法論がベースにあるのだろうと推測しました。

2021年11月9日火曜日

建築と子供たちオンラインワークショップの開催(2021年7月~10月)| 概要・ポジティブフォームとネガティブスペース

 建築と子供たちオンラインワークショップの開催

2021年7月~10月

建築と子供たち提唱者のアン・テイラー博士(ニューメキシコ大学名誉教授)が主宰するNPOスクールゾーンインスティテュート(School Zone Institute:SZI)では、コロナ禍においてオンラインで建築と子供たちのデザインを体験できる動画を制作しました。

動画は、建築と子供たち定番の8本のプログラムにより構成され、各動画にはその目的や教育的効果、具体的な手法等が掲載されています。

ネットワーク仙台と建築と子どもたちデザインLABO関西は、多くの日本の人たちにこの動画を見てもらおうと、動画に日本語字幕を入れることになりました。制作にあたっては、SZIメンバーの、酒井敦子さん(南フロリダ大学ジュディゲンシャフトオーナーズカレッジ専任インストラクター)、メリンダ・ワルシュさん、カタリーナ・サリナスさんと、ネットワーク仙台の永野ますみさん(ニューヨーク州登録建築家)に多大なご協力をいただき、英語の文字起しからはじまり、日本語への翻訳、そして字幕入れを行うまで1年がかりで完成にこぎつけました。日本語字幕入り動画の公開予定は未定ですが、ネットワーク仙台とデザインLABO関西が共催して、字幕完成を記念したオンラインワークショップを2021年7月から10月まで4回にわたって実施いたしました。その概要について報告いたします。

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建築と子供たちデザイン体験動画プログラムリスト
  • 視覚言語と概略図
  • ポジティブフォームとネガティブスペース
  • デザインの構成的原理
  • 建築公園-動機づけと筋書き
  • 植物の断面図と抽象化
  • 紙で作る自分の部屋
  • ネズミの家
  • 地域や小さな町のプランニングと模型作り
*英語版動画はhttp://architectureandchildren.com/で視聴可能です
*版権はスクールゾーンインスティテュートが所有しています
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<ポジティブフォームとネガティブスペース>
2021年7月25日(日)10:30~12:00
2021年8月22日(日)10:30~12:00

 7月と8月の2回にわたり、デザイン体験動画のうちポジティブフォームとネガティブスペースを実施しました。
 参加者は、7月25日が大人8名(仙台、大阪)、8月22日が大人11名、小学2年生1名(仙台、大阪、名古屋)の計12名、指導はいずれも永野ますみさんです。
ポジティブフォームは、建築で言えば壁や床や天井などの固体で、手で触れるものです。
ネガティブスペースは、ポジティブフォームに囲まれた何もない空間で、建物の外にもあります。壁の一部を窓にすると、建物の内外のネガティブスペースがつながります。
 このワークショップでは、ポジティブフォームとネガティブスペースを2次元で表現してみようというもので、円と三角と四角の黒い紙を刻んで、白い紙の上に、拡張したようにあるいは爆発したように隙間をあけて並べて貼り付けます。ここでは黒い紙がポジティブフォーム、背景の白い紙がネガティブスペースになります。
 説明のあと取り組みはじめましたが、さてどのように切ろうかハサミを持った手が止まります。あれこれ悩みながらも思い切ってハサミを入れていくと思いがけない形に変化。皆さん顔も上げずに夢中で手を動かしていました。最後に全員で作品を披露。はじめはみんな同じ形だったのに、それぞれ全く違うユニークな作品の数々が出来上がっていました。

円の拡張

三角の拡張

四角の拡張

準備物
円、三角、四角の黒い紙各1枚(各辺15㎝の正方形と正三角形、直径15㎝の円形)、A3サイズの白い1枚、ハサミ、スティックノリ、黒マーカー(細目)orサインペン

参加者のアンケートから(抜粋)
  • 小学2年生の息子と参加いたしました。お話を聞くだけではなく、実際に手を動かして作品を作るのが面白いと感じました。作業自体が難しくないので、デザインをするという体験が手軽にできる点が良いと思います。子どもは、ゼロから絵を描いたり創造するのが難しいです。特に手先が不器用な子は、描画などのテクニックが無いので、アイデアを作品にまで仕上げるのが難しい。そういった子どもも、今回のような手法であれば、【切る】【並べる】【貼る】などの単純作業により、デザインを体感できます。材料も情報も少ないので、デザインに集中して取り組み易かったと思います。色々な子どもが、それぞれの個性を持って取り組めば、面白い作品ができそうですね。
  • 自由に考えられること、偶然にできる形の面白さがよかったです!疲れた大人の脳みそのストレッチになると思います。
  • 丸、三角、四角の紙を切って貼るだけで、二次元の紙の上で、立体と空間の関係を想像することができる、優れた教育方法だとあらためて思った。また、子どもだけでなく、大人にも大変役に立つと思った。
  • 決まった形を好きなように切って、貼るだけで出来上がる作品はこんなに違うんだ!と、びっくりでした。そしてそれが建築デザインに繋がっていることにも。

2021年10月3日日曜日

「蔵で堤人形」絵付けわーくしょっぷ2021

 2021年10月3日(日)

若林区南材木町にある旧丸木商店の店蔵を会場に、来年の干支<寅(トラ)>の堤人形の絵付けを、日本建築家協会東北支部宮城地域会との共催で実施しました。

奥州街道沿いに残るこの店蔵は、仙台市の「杜の都景観重要建造物等」にも指定されています。2011年の東日本大震災で被災しましたが、近くの南材木町小学校の子どもたちが復興を願ってデザインした、ユニークな〝紋″で飾られ復活しました。これまで建築と子供たちネットワークでは、この店蔵を保全・活用する活動を行ってきました。

旧丸木商店店蔵が会場の絵付けは2年ぶりとなります。昨年度は残念ながらコロナ禍の影響で開催できませんでした。今年はコロナ禍を考慮し、人数を絞っての開催です。

集まった11名の参加者に、つつみのおひなっこやの佐藤明彦師匠が、丁寧に指導してくれました。太さの異なる3種類の筆を使い、黄色、黒色、朱色、白色の4色で絵付けを進めます。

まずは真っ白い生地の堤人形を黄色で全体を塗りつぶします。その次の工程、黒い模様がポイント。ぐるぐると円を描くダイナミックな模様をうまくかけるかな?お手本を描く師匠の筆遣いに、全員が見入ります。黒い模様が入ると、一気に寅らしくなります。試行錯誤しながら黒い模様を入れ終わったら、朱色で口・耳・鼻、白色で目・ひげなどに模様を入れ、最後に目と尻尾を黒色で描き、完成です。

最後は全員の作品を集めて記念撮影。個性あふれる鮮やかな寅が完成しました。秋晴れの良い天気のなか、ゆっくりと楽しみながら絵付けすることができました。来年度こそは、コロナ禍が落ち着き、多くの方々に楽しんでいただけると良いなと思います。

絵付け前の真っ白な堤人形

寅のからだ全体に模様を描きます

たくさんの鮮やかな寅が完成しました

自分の作品を持って記念撮影

2021年9月28日火曜日

台原小学校3年生総合学習「台原のひみつ大発見!」

 2021年9月28日(火)

台原小学校3年生は、毎年、学校で土鈴をつくり、堤町まちかど博物館での見学と土鈴の窯出しを行ってきましたが、今年はコロナ禍のため土鈴づくりが取りやめとなり、博物館の見学のみが実施されました。

今年の3年生は3クラス95名。密を避けるため、クラスごとに時間をずらして堤町にやってきました。各クラスは3グループに分かれ、登り窯、つつみのおひなっこや、堤焼展示室(佐大ギャラリー)を順に巡りました。

<登り窯にはどんなひみつがあるのかな?>

登り窯では、佐藤吉夫師匠やネットワーク仙台から登り窯の歴史や構造などについて話を聞きました。

  • 窯は、大正7年にできて今年で103才になる。昭和40年代までこの窯で堤焼が作られていた
  • 6つの窯が連なって階段状に登る形なので、六連の登り窯と呼んでいる
  • 焚き口が下にあり、熱い火は上に登っていく仕組みになっていて、一度に6つの窯全部に火がつく。たくさんの焼き物を作るのに効率のよい形をしている
  • レンガをアーチ状に組み立てトンネル状にしたボールトという形をしている
  • 東日本大震災で、上から3つの窯が壊れ、大勢の人が協力して復興した。古いレンガと新しいレンガが混ざっている
  • 窯の下に開いている穴は火が登るための空気穴
  • 焼き物を窯に入れたあと、火が外に漏れないように窯の入口をレンガや土で塞いだ
  • 窯の上にのっている木の型はレンガのアーチを作るために使った
  • 窯の温度は1200度まであがる
  • 台原小学校の校庭の下にも焼き物を作る良い土がある
  • 壊れた焼き物は土に戻して作り直しができるのでゴミが出ない

登り窯の歴史や仕組みを聞きました
「焼くときは、入り口をレンガや土で塞いだんだよ」と吉夫師匠
古いレンガはツルツルしているね

<堤人形やダルマはどう作るの?>
つつみのおひなっこやでは、佐藤明彦師匠から堤人形とダルマの作り方について教えていただきました。
  • 堤人形は江戸時代から伝えられてきた型を使って作る
  • 表と裏の2つの型を使う
  • 2つの型のそれぞれに粘土を押し付けてから、2つを合わせて両方の粘土をくっつける
  • しばらく置いてから型をはずすと人形が現れる。中は空洞になっている
  • 人形を乾かしてから窯で焼き、そのあと人形に胡粉という白い粉を塗り、その上に色をつけると堤人形が出来上がる

次に、明彦師匠から「ダルマに使われている材料は何だろう」というクイズが出されました。
「木」「プラスチック」「石」などいろいろな答えがでましたが、師匠は「答えは紙です。ダルマも型を使って作りますが、型は木でできていて、その上に紙を何枚も張って作ります。底になる土台だけは乾燥させた土で作ります」。最後に胡粉を塗り、色を付ける工程は堤人形と同じだそうです。
「型をはずすと堤人形が出てくるんだよ」と明彦師匠

<堤焼クイズに挑戦しよう!>
最後に回ったのは堤焼の展示室です。子どもたちはクイズの紙を手に張り切って入ってきました。台の上に乗っている堤焼の数々を見て、クイズの堤焼がどこにあるのかを探し、その使い方を当てるのです。

クイズは次の3つです。

A:鬼瓦は家のどこに置かれましたか
  1.  キッチンのかべ
  2.  屋根の上
  3.  トイレのかべ
B:大がめは何をいれて使いましたか
  1.  水
  2.  お酒
  3.  お風呂のお湯
C:これは何に使うものですか
  1.  植木ばち
  2.  花びん
  3.  冷たいごはんをあたためる
鬼瓦はすぐに発見。おかれた場所は、屋根の上が一番多くて、キッチンのかべという答えもありました。大がめは、「お風呂のお湯」が多かったのですが、「水」と正解を答えた子もいました。
そこで、「水道がなかった昔は、井戸から水を汲んできてかめに溜めて料理や洗い物に使った。水汲みは子どもの仕事だったんだよ」と話すと「えーっ、重いよ」。Cでは、「花びん」と言う子に、友だちが「でも底に穴が開いているので水が漏れるよ」。結局植木鉢と答えていました。そんなやりとりのなかで、「冷たいごはんを温めるもの」と本当の使い方を当てた子もいました。
この中に冷たいご飯を入れ、湯を張った器のなかにざぶざぶとつけて、引き上げるとご飯が温まる「湯通し」という道具であることを話すと、電気も電子レンジもない時代に暮らした人々の知恵に、子どもたちは「昔の人は頭がいいね」と感心しきりでした。
クイズの堤焼を見つけよう
大きいカメはお風呂のお湯を入れたのかな?
隣で鬼瓦が「わかるかな?」

「湯通し」は昔の電子レンジだね

どの場所でも熱心に話を聞きメモを取っていた子どもたち。
見学を終えると笑顔で手を振りながら元気に学校に戻っていきました。

2021年9月2日木曜日

台原小学校3年生総合学習「台原の達人になろう~土鈴づくり窯出しワークショップ~」

 今年で15回目になる土鈴づくりは、コロナ禍で開催を危ぶまれる中、子どもたちや先生たちの熱意で開催されました。全国どこでも各イベントが中止、延期のオンパレードの中、開催のオファーは来ないでしょう、と思い始めた6月2日になって、3年生の先生から連絡がありました。何もかも学校行事が自粛の中、遠慮がちなご依頼でしたが、こんな状況だからこそがんばろう、とお引き受けしました。

7月14日(火)

 学校で行った土鈴づくりは、3密を避けるため、いつものブルーシートはやめて、一人ひとり持ち寄ったレジャーシートに座って行いました。子どもたちはもちろん、参加者全員がマスク着用です。

 指導してくださる佐藤明彦師匠と吉夫師匠も、もちろんマスク。できるだけマイクを使って指導をして、最後の手直しの時にはいつもの倍広くした机に、透明プラスチックのシールドを立てました。順番待ちの時も距離をあけて待ちました。

 そうやって出来上がった、思いおもいのデザインをこらした土鈴は、いつものように堤町まちかど博物館の体験窯で焼かれ、子どもたちが窯出しにやってくる日を待ちました。


9月2日(水)

 酷暑が心配される中、その日は願ってもない曇りの天気。午前10時に子どもたちが早めにやってきた声がし始めました。短めの全体説明の後、登り窯を見るクラス、今年から佐大商店のお店に展示することになった堤焼と、古い堤人形を見るクラス、おひなっこやの堤人形を見るクラスと3つに分かれて見学です。3密を避ける工夫はそれぞれの場所でなされました。

 登り窯では、震災で壊れた登り窯をみんなで復興したことを聞き、新しいレンガにまじって、長い間高温に焼かれてつるつるになった古いレンガを触ってみたり、熱い火が上っていく仕組みを見たりしました。

6連の登り窯のお話を聞きます
窯の中に入ってみよう
ツルツルしているのが古いレンガだね

 お店の展示室では、3つのクイズが用意されていました。

 ①この焼き物は家のどの部分にありましたか?(鬼瓦)<答え:屋根>  
 ②これには何を入れましたか?(大甕)<答え:飲み水>  
 ③これは何につかいましたか?(湯通し)<答え:冷ご飯を温めた>

 子どもたちは堤焼の形や色に見入ったり、展示している中で最も古い、江戸時代の堤人形「谷風」を見て驚いたりしていました。つつみのおひなっこやでは明彦師匠のお話をきいたり、製作途中の堤人形に見入ったりしました。

展示室で堤焼のクイズに挑戦
谷風の堤人形もチェック
つつみのおひなっこやで、明彦師匠から堤人形の作り方を聞きます

 最後に、楽しみだった窯出しです。間隔をあけた列が長かったので、灰落としはしませんでしたが、一人ずつだいじそうに出来上がった土鈴をケースに入れていました。

土鈴はうまく焼けているかな?
窯出しは一人ひとつずつていねいに 右端は窯出しを見守る吉夫師匠

2019年11月11日月曜日

堤町再発見~堤町まちものがたり2~

20191017日(水)

仙台市三本松市民センターが主催する標記講座において、堤町まちかど博物館の六連の登り窯(2017年杜の都景観重要建造物等指定)の再生活動についてうかがいたいとの要望があり、センターに出かけてまいりました。参加者は、講座受講者と、登り窯を所有する佐大商店の佐藤邦子さんを含めて11名の方々。堤町まちかど博物館設立の経緯、震災前の活動、震災からの復興、震災後の活動について話をさせていただきました。
熱心に話を聞いてくださった参加者の皆さん
<堤町まちかど博物館設立の経緯>
三本松市民センターさんとのコラボは、1994年の「こども建築教室」に遡ります。その後1997年に、「堤町親子探訪」をお手伝いすることになり、ルートを下見しているとき、佐大窯の登り窯(大正7年築造)と、窯元の佐藤達夫さん(堤町まちかど博物館初代館長・佐大商店前店主)に巡り合いました。達夫さんによると、1981年に廃業したあとも、いつかは町の資料館にしようと、登り窯と隣接する旧作業場、江戸時代からの堤焼や堤人形、つくりかけの焼物、釉薬、焼物道具、人形型など、堤焼や堤人形に関する一切のものに手を付けず大切に守ってきたのだそうです。しかし、この場所は、都市計画道路川内南小泉線(2013年廃止)の中にすっぽり入っていて、いずれ壊される運命にあると嘆いておられました。
その後私たちは、計画道路は10年後まで着手されないことを知り、その間だけでも、ここを整備し、資料館として公開したいという達夫さんの夢をかなえてあげようと活動をはじめました。
20016月、佐大商店、つつみのおひなっこや(博物館敷地内の堤人形工房)150人を超える大学生や市民、ネットワーク仙台が力を合わせて清掃や展示物の整備に汗を流し、堤町まちかど博物館はオープンしました。

達夫さん(左端)から堤焼と登り窯の話を聞く

博物館の開設準備に励む大学生たち
<震災前の活動>
開館してからも、傷んでいた窯の土壁や上屋の屋根の修復を重ねていきました。2002年には、周囲が住宅街となった今では焼くことができない登り窯の代わりに、焼物が体験できる小さな窯を作りました。2003年には、敷地の北側に立っていた藩政時代の関税所役宅の御仲下改所(おすあいどころ・2001年夏解体)を記念した説明版を設置して博物館の展示に加えました。
博物館は、子どもから高齢者まで多くの人々に親しまれるようになりました。とりわけ、小学校(台原小、南小泉小、立町小、東長町小、沖野小、東二番丁小、八本松小、荒巻小等)の総合学習や子ども会活動としての焼物づくりや堤人形の絵付けなどの体験が盛んに行われるようになり、教育の場として活用されてきました。
登り窯の焚口脇に体験窯をつくる
御仲下改所跡に記念板を設置
焼物づくり体験ワークショップ