2022年7月17日(日)
街歩きのあとは、東横堀川から道頓堀川までのリバークルーズです。仙台5名、名古屋1名、大阪1名の計7名が11人乗りの船を貸し切り、東横堀川へいざ船出。船着き場はβ本町橋の目の前です。東横堀川の上を走るのは阪神高速道路。その下に架かるいくつもの橋をくぐりぬけていきます。まずは本町橋。この橋は、江戸時代は幕府直轄管理の公儀橋で、現存する大阪市内最古の橋(大正2年5月架設)だそうです。
橋は3つ連なる鋼製のアーチ構造で、中央のアーチの両側に重厚な石造の橋脚があり、その間を抜けて行きました。アーチの下には風鈴が下がり、私たちを涼し気に迎えてくれました。
β本町橋(左)と船着き場 |
本町橋 3連鋼アーチ橋、橋脚は石造り |
本町橋 歴史を感じさせる親柱 |
本町橋 アーチ構造にぶら下がる風鈴 |
本町橋を北上すると、現れたのは大手橋と平野橋。大手橋は、コンクリートアーチ橋。平野橋は鋼アーチ橋で、桁は上部に置き、曲げモーメントや剪断力などの応力を負担させるため太く、アーチ部材は圧縮力のみを負担させるため細くした逆ランガー桁と呼ばれる構造だそうです。
大手橋 コンクリートアーチ橋 |
平野橋 鋼アーチ橋(逆ランガー桁) |
その後、南下するといろいろな橋が登場。その名前は、農人橋(農民が田畑に行き交う橋だったから)、瓦屋橋(近くで瓦の生産が盛んだった)、末吉橋(豪商・末吉孫左衛門が架けた)というように、橋が人々の営みと密接に結びついていたことがわかります。こうした橋は町橋といって、町の人々が維持管理をしていたそうです。
東横堀川は上大和橋で終わり、直角に曲がって道頓堀川に入ると最初の橋が下大和橋、
ここからは上に道路などがなく、開放的な雰囲気でした。
太左衛門橋(興行師・大坂太左衛門が架けたことに由来)、日本橋(紀州街道が通るため公儀橋となっていた)、大阪ミナミの中心にある戎橋(えびすばし)などをゆっくり進んでいきました。この日は道頓堀でお祭りがあり、両岸を埋めるコスプレの若者たちや、舞台で歌い踊るアイドルたちで賑わっていました。
道頓堀最後の橋は浮庭橋(うきにわばし)。2008年(平成20年)に完成した人道橋で、デザインコンペで採用されたそうです。構造は吊り橋、ツタが絡んだ美しい橋でした。下から見上げると丸窓(上から川をのぞくため?)がついていました。
川岸にはお洒落なカフェテラス風の建物もあり、川と橋と建築物が一体となった素敵な空間になっていました。
浪華八百八橋と言われる橋の多さを実感し、様々な橋の歴史や構造なども間近に拝見することができた90分の船旅でした。
お祭りで賑わう戎橋周辺 |
道頓堀最後の橋「浮庭橋」 左右の主塔がケーブルで橋を吊っている |
浮庭橋の裏 真ん中に丸窓が見える |
浮庭橋周辺のお洒落な建物 |
<リバークルーズ感想>
- 川からの景色がとても新鮮で、橋を下から眺められたことがとても良かったです。
- 大阪が橋の多い街だという言うことは漠然と知っていましたが、実際に沢山の橋の下をくぐりながら気持ちの良い川風をうけてのんびりと街をながめると、全く違った見え方が出来、脳にアドレナリンが溢れるのを感じました。大阪の橋は裏から見るのが面白い!
- めったに観光クルーズは行わないのですが、正直、とても楽しかったです。街は混雑していても川の上は静かで落ち着いていて、違った角度からゆったりと大阪観光を楽しめました。川の風も心地よくあっという間に時間が過ぎてしまった感じです。コスプレの若者やアイドルなどなども観察でき、観光客にも地元人にもおすすめのクルーズだと思います。
- 橋の裏側を風鈴で飾るなど、裏側だった面をまだまだ魅力的にできるのだと感心しました。この際、高速道路の裏側もプロジェクションマッピングなどで飾っても面白いのではと、勝手に妄想して喜んでいました。
参考資料:
- 「中央区 橋から橋まで 総めぐり」(大阪市中央区役所)
- 大阪市建設局ホームページ
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