2012年7月30日月曜日

7月10日(火)第2回台原小学校3年生のワークショップ開催です。
先日作った土鈴を窯から取り出す作業と、堤町まちかど博物館の登り窯、展示室、つつみのおひなっこやの見学です。
 自分たちのつくった土鈴を窯の中からひとつずつ取り出します。すべての土鈴が壊れずにちゃんと焼き上がりました。
修復中の登り窯の前でアーチに働く力について、からだを使って学びます。


おひなっこやさんでは、明彦師匠から、目の前の道が奥州街道であり日本橋から続いている古くからある道であることや、堤人形の歴史をうかがいました。


佐大ギャラリーでは、大きな水がめにおどろき、古い人形に興味津々の子ども達でした。



626日(火)第1回台原小学校3年生の土鈴作りワークショプです。


講師は、堤人形作家の佐藤吉夫師匠と明彦師匠です。
始めに、粘土でできた鈴を新聞紙に包み丸くします。そして、板の上でたたいて伸ばした粘土で新聞紙の塊を包みます。粘土をたたく際の注意点は、3回叩いたらひっくり返し、また叩くを繰り返すこと。粘土板にくっつくのを防ぐため。そのあとは、紐を通す穴を開けられる場所を残して自由にデザインOK


体育館に100名近い3年生、集中しています。


できあがったら、師匠に紐通しの穴と、音がするように一文字に切り込みを入れてもらいます。


完成!!これを乾燥させ、焼きます。

2012年7月13日金曜日

震災で壊れた登り窯を修復しよう!〜土ふるいワークショップ〜

昨年度から開催した、レンガの片付けワークショップや、5〜6月に行ったレンガの積み上げ作業など、多くの方の協力のおかげで、三連のレンガ積みまで完了しました。
今回のワークショップは、これからレンガを保護するための土を上塗りする作業に向けて、土ふるいを行うものです。

●日時:平成24年7月28日(土) 9:30~16:30(集合:9:00まで)
  ※雨が降っても行います

●場所:堤町まちかど博物館内登り窯       
          仙台市青葉区堤町2-11-38
          ※駐車場がありませんので公共交通機関をご利用ください。
●準備するもの:汚れてもよい服装、タオル
●募集人数:小学生以上20名(先着順)
●申込受付:建築と子供たちネットワーク仙台まで
          メール rs_yngy_archi*yahoo.co.jp(*を@に代え送信してください)
          FAX    022-244-0104
●申込締切:7月25日(水)
●主催:建築と子供たちネットワーク仙台  
●協力:つつみのおひなっこや、佐大商店



2012年7月6日金曜日

堤町登り窯再生プロジェクト(レンガ積み作業報告)


5月22日より6月12日まで、浜松市からお呼びした築窯家の佐藤時朗(じろう)さんを迎えてれんが積みを行いました。レンガ積みには、奄美大島や山形の陶芸家をはじめとする、のべ111名の方々が参加しました。

1)レンガ積み作業前

2)積む前に、さらに土を削りレンガに磨きをかけました。また、窯には5~6種類ものレンガが使われていたため、形や大きさをそろえて積みやすくするための作業を行いました。
3)5月24日(木)壊れた5房、6房間の縦壁は構造的に大きな力がかかるため、新しい耐火レンガで積みました。


4)レンガの接着モルタルは、削った土と耐火モルタルを練ってつくりました。

5)古いレンガは、水をかけ吸水させます。

6)屋根部分は古いレンガで積みあげました〔写真は5月26日(土)4房目の作業〕

7)レンガが積み終わったら、すぐに型枠を外します。〔写真は5月27日(日)4房目の型枠はずし〕

8)6月7日(木)の様子。壊れた3つのうち、4房目はアーチ積みが終了し入り口部分のレンガも積み終わった状態、5房目はアーチが完成、6房目は型枠が設置されました。


9)6月12日(火)全てのレンガ積みの仕事が終わりました。長いようで短かった作業。休憩中にはたくさん堤町の話を聞くことができました。

 これから秋に向けて、いよいよ土壁塗りワークショップが始まります。
また、修復作業に向けて寄付を募っております。
ご協力頂ける方は、事務局へFAX(022-244-1004)にて、ご連絡下さい。

2012年6月1日金曜日

平成24年4月-5月「震災で壊れた登り窯のれんがをきれいにしよう!」ワークショプを開催しました

 昨年度に引き続き、震災で壊れた登り窯の再生に向け房内の片付けワークショップを行いました。震災で崩れた4〜6房目のうち、4房目、5房目は昨年度にれんがの運び出しを終えていましたので、今回は残った房に取りかかります。
 期間中には計5回ワークショップを開催し(4月24日、4月28日、5月8日、5月12日、5月19日)、小学生、大学生、一般の方、建築関係者、行政関係者などのべ101人もの参加者のみなさま方のおかげで片付けが完了しました。写真で作業の様子をご紹介します。


1)崩れたれんがや土を取り出します
2)再利用できるれんがを運び出し、取り置きます
3)れんがにこびりついた土をはつり取ります
4)崩れたれんがを細かく砕きます
5)崩れたれんがや土を再利用できるようにふるいにかけます
6)片付けが完了した房内


◎仙台市の市政だより6月号の裏表紙にも掲載していただきました。
 「復興のまち|古い建造物に込められた知恵や工夫に触れてもらいたい」
  http://www.city.sendai.jp/soumu/kouhou/shisei/sis1206/fukkoutown.html

2012年5月30日水曜日

こども環境学会2012年大会で震災復興活動を発表しました


【開催日時】平成24年4月22日(日)10451245
【会場】仙台国際センター

 標記大会の分科会「デザインで支える子どもたちの震災復興~生きる力の種をまく地域・学校の取り組み~」が開催され、デザインをキーワードに地域や小学校で取り組んでいる震災復興活動について下記の通り発表しました。

1)子どもたちと創る歴史的建造物の震災復興~仙台奥州街道建築たんけんガイドブックを活用して~

細田洋子(建築と子供たちネットワーク仙台)

ネットワーク仙台からの発表と会場の様子
 奥州街道沿いの歴史的建造物「堤町まちかど博物館の登り窯(大正7年築造)」と「旧丸木商店店蔵(南材木町・天明元年建築)」が震災で壊れ、その再生に向けたプロジェクトが子どもたちの参画で動き出しています。
 このプロジェクトでは、「仙台奥州街道建築たんけんガイドブック」(2011年発行)を活用して、窯を復元するために崩れたレンガにこびりついた土を削ったり、修理する蔵のファサードを飾る「紋」をデザインする学習を行いました。
 こうした活動のようすと、その活動を通して子どもたちに「昔の建造物を守っていきたい、自分たちで守っていくことができる」という想いが生まれてきたことなどについて紹介しました。

2)七郷小震災復興学習の創造~自分が元気、まわりが元気、地域が元気~

   亀崎英治(七郷小学校教諭)

亀崎先生発表の様子
 七郷小学校は、昨年の大震災で学区内にも津波が押し寄せ、学校は2千人を超える人々が身を寄せる大規模避難所となりました。こうした経験から、子どもたちに「たくましく生きる力」を身につけさせようと、全校で「ともに立ち上がろう!七郷」を合言葉にした震災復興学習に取り組んでいます。亀崎先生は、東長町小学校のまちづくり学習(2000年度~2001年度)、北六番丁小学校の川環境学習やエネルギー環境教育(2002年度~2009年度)などネットワーク仙台や大学等と連携しながら単元や年間プランをデザインする総合学習を数多く実践してきました。
 七郷小学校の震災復興学習では、これまでの学習手法に震災という視点を加えた学習プログラムを開発し実践しています。たとえば5学年では、ゴ―ヤやヘチマのトンネルやカーテンを育て、見た目にも、環境にもよい「緑をふやそうプロジェクト」、震災復興の願いを絵と言葉で表現する「復興絵馬プロジェクト」、現在仮設住宅が建っている地域の公園を仮設住宅の人たちの意見も聞きながらデザインする「7GO公園デザインプロジェクト」など、子どもたちが地域や外部の人たちとつながりを持ちながら、未来に向かって身近な環境を創造する学習に取り組んでいるようすが披露されました。

【関連リンク】
 •七郷小HP http://www.sendai-c.ed.jp/~sichi-el/site0002/index.html


 3)「つながり」を大切に認め合い助け合う子どもを育てる~被災校に本を贈るプロジェクトの展開~
吉成小6年生発表の様子
   
        菅原弘一(吉成小学校教頭)
  +吉成小学校6年生児童


        震災の被害が少なかった吉成小学校では、昨年、津波被害の大きかった東六郷小学校に本を贈るプロジェクトに取り組みました。
  このプロジェクトは、仙台市が進めている故郷復興プロジェクトの一環として児童会を中心に全校で展開したものです。
  はじめに、このプロジェクトの中核として活動した5年生(現6年生)を代表して3名の子どもたちが、市民図書館(本の選定)、保護者や地域(本の購入資金集め)、学習院女子大学伊藤研究室(本の贈り方の助言と資金提供)、建築と子供たちネットワーク仙台(図書箱のデザイン指導)、鈴木功師匠(図書箱の製作)、石川県の皆さん・津山町在住の須齋さん(本の寄贈)など多くの人たちとつながりながら徐々に形に表していくことができた学習の経過と内容について発表しました。


  続いて菅原弘一教頭先生から、学習院女子大学と建築と子供たちネットワーク仙台との連携学習を例に挙げて「つながり」を大切にした学習の効果について発表がありました。学習院女子大学との連携では、図書室のないラオスの学校で移動式の図書箱や図書袋が使われていることを知った子どもたちが贈り方の大切さに気付き、本と一緒に図書箱を贈るという相手を思いやる支援につながったそうです。この図書箱に東六郷小の子どもたちが演奏する「黒潮太鼓」の音を描く活動を支援したのがネットワーク仙台です。

   この活動では、線や矢印でものの動きや音を視覚言語化したり、「直線」「うず」「放射状」などの「パターン」を使って音を表現したりするデザイン手法を学ぶことによって、発想を支える「知識」や「技能」をトレーニングするとともに、具体的なデザイン手法の枠のなかで思考を活性化させ「太鼓の音を表現する」という難しい課題を解決していくことができた、これは従来の「自由でいいよ」「夢を描きなさい」というようなあいまいなやり方では生まれない学習の効果であるとの報告がありました。そして、これから大切にしたい教育として、「葛藤が生まれるような複雑な状況での判断、複雑さへの耐性が求められる」「頭でっかちでは役に立たない」「実践力 そして,へこたれない心が必要」「チームで取り組み解決する力」を挙げ、こうしたことは、教科書的な“正解”を求めているだけでは解決できず、現実社会(人)の多様な“つながり”の中で総合的に学びながら創造的な問題解決の力を高めていくことが重要であり、そのために教師のデザイン力・コミュニケーション力が求められると結びました。

菅原先生発表の様子

  【関連リンク】
   •吉成小HP http://www.sendai-c.ed.jp/~yosinari-el/koutyou_blog/index.php?UID=1329563831 
    カテゴリー:震災復興プロジェクト
   •東六郷小HP http://www.sendai-c.ed.jp/~higac65/toshodayori/toshodayori24-5.html


発表後は、約60名の参加者の方々から、「障害を持っている子どもたちに教えているが、デザイン学習の方法がたいへん参考になった」「長く活動を継続していることが素晴らしい」など多くの感想が述べられ、子どもたちの参画による環境改善の手法やデザイン学習手法などについて意見を交換しました。

2012年4月10日火曜日

4/22こども環境学会分科会「デザインで支える子どもたちの震災復興 」

仙台/国際センターにて開催される「こども環境学会」http://www.children-environment.org/
での22日の分科会にて、下記のとおり発表を行います。

テーマ
「デザインで支える子どもたちの震災復興
~生きる力の種をまく地域・学校の取り組み〜」

建築と子供たちネットワーク仙台は、建築や都市のデザイン手法を応用して、子どもたちの創造力や問題解決力を培うとともに、より良い人工環境への関心や理解を育むため、未来のまちや公園、家などをデザインする総合学習やワークショップを数多く実践してきたほか、仙台を南北に貫く奥州街道沿いに今なお残る歴史的建造物を舞台に、子どもたちの参画による修繕活動やデザイン学習などを行ってきました。また、“教育デザイン会議”という小学校教師との連絡協議会を立ち上げ、活動の内容や手法について情報や意見を交換しながら活動を進めてきました。

東日本大震災後1年が経ちましたが、他の学校に身を寄せながら学ぶ子どもたちが数多くいますし、子どもたちの身近な環境が被災したままになっているケースも少なくありません。そうしたなかで、子どもたちに、同じ被災者として誰かの復興の役に立ちたいという想いが芽生えています。建築と子供たちネットワーク仙台と教育デザイン会議は、地域住民、大学等と連携して、これまで培ってきたデザイン学習の手法を使って、子どもたちの想いを形にして誰かを励ましたり、子どもたちの手で身近な環境の再生をお手伝いする活動を応援しようと動いています。自分たちの活動が誰かを元気にし、その誰かとつながっているという気持ちが、子どもたち自身の元気を取り戻すことにつながるでしょう。それが地震・津波・原発事故という大災害に見舞われた子どもたちの“生きる力”になってくると信じています。このセミナーでは、地域の公園をデザインする学習や、被災した学校の子どもたちに図書箱を贈る学習など、現在実践されている地道な復興学習と、子どもたちの参画で進んでいる奥州街道沿いの歴史的建造物の復興活動について紹介しながら、“生きる力”の種をまくために私達大人がどのような行動ができるのか会場の皆様とともに考えます。

■開催日時
 4月22日(日)10時45分~12時45分
■会場名
 国際センター(白橿2)
■対象 
大人 定員70名
■申し込み方法
 下記チラシよりFAXにて(仙台市民は無料 当日参加もOKです)
■内容
●発表1:
子どもたちと創る歴史的建造物の震災復興
~仙台奥州街道建築たんけんガイドブックを活用して~ 
細田洋子(建築と子供たちネットワーク仙台)

●発表2:
七郷小学校震災復興学習の創造
~自分が元気、まわりが元気、地域が元気~
 亀崎英治(七郷小学校教諭)

●発表3:「つながり」を大切に認め合い助け合う子どもを育てる
~被災校に本を贈るプロジェクトの展開~
菅原弘一(吉成小学校教頭)+吉成小学校6年生

●質疑応答 
進行:馬場たまき(建築と子供たちネットワーク仙台)
コメンテーター:堤祐子(教育デザイン会議)

●まとめ:渋谷セツコ