2015年8月18日火曜日

上杉のまちを探検しよう!


2015623日(火)

上杉山通小学校5年生148名。今回の授業では、まちづくり学習の一環として、自分達の住んでいる上杉の環境を実際に探検して考えました。

探検の前に、5年生全員が体育館に集まり、探検のポイントをネットワーク仙台から説明しました。気に入ったもの5枚、気になるもの5枚をデジタルカメラに収めること、どこで何を撮ったかできるだけくわしく報告書に書いてくるようにということを伝えました。又、五感を使って探検すること、いつもと違った視点で見ることが重要という話もしました。
人数が多いためAコース(1組と4組)とBコース(2組と3組)に分かれて探検をしました。Aコースの経路は、学校→東北大学農学部→勝山公園→上杉公園→学校となり、Bコースは逆回りです。

報告書とデジタルカメラを持ち、暑さ対策として帽子をかぶり水筒を手にした子供達。
Bコースでは学校から上杉公園に向かう途中に、左手にかんぽ生命保険仙台サービスセンターがあります。約80年前の建物と説明すると、信じられないといった様子で驚いていました。北六番丁と愛宕上杉通の角には、四谷用水の上に架けられていたという上杉山橋の記念碑がありました。四谷用水は広瀬川の水を利用して城下を潤していた昔の用水路です。子どもたちはその一部が暗渠となってここを流れていることを知りました。
かんぽ生命保険仙台サービスセンター前を歩く。80歳で現役です!

いまブームの四ツ谷用水。地面の下を広瀬川の水が流れています。

上杉公園へ到着すると公園の中を調査する時間が設けられ、それぞれ興味のあるところを調査したりカメラに収めたりしました。上杉公園には多種多様な木があり、中央にプラタナスの大きな木が立っています。太い幹の回りを数名で手をつないで大きさを計っている様子も見られました。
街の中心地と思えないほど緑豊かで静かな公園
東北大学農学部の校内では、珍しい木や木の実を観察したり、大きな石碑の感触を確かめたりと楽しそうでした。又、正門にある守衛所は大正時代に建てられた木造平屋建の建物で子供達にも人気でした。
守衛所は旧制二高時代のものだそうです。そばの塀のレンガと一緒に移設されました。

天気予報で心配された雨にも降られずに無事探検が終わりました。

2015年8月17日月曜日

博物館の見学と焼物ワークショップ


201566日(土)
博物館の大きなカメにびっくり
震災で大破した堤町まちかど博物館の登り窯の修復にはたくさんの方々から協力が寄せられましたが、JIA東北支部宮城地域会の皆様のお力もそのひとつでした。この日、宮城地域会の保存再生研究部会・建築と子ども教育部会の主催により、博物館の見学と焼物づくりのワークショップが行われ、建築と子供たちネットワーク仙台・佐大商店・つつみのおひなやっこやが協力しました。おひなやっこやの堤人形体験工房には小学生4名と大人11名が集まりました。

はじめに堤町まちかど博物館を紹介してもらい、初代館長の佐藤達夫さん、建築と子供たちネットワーク仙台やたくさんの人たちの力で作られたことを聞きました。
そして、昭和50年代までは火が入っていた現在96歳の登り窯のお話やエピソードなど、佐藤吉夫さんからこぼれ話を伺ったあと、ネットワーク仙台から登り窯修復の取組を聞きました。

その後、震災を生き延びた昔からの大瓶や壷などが飾られている展示室をみんなで見学しましたが、窓から見える大きな道路がここを飲み込んで伸びてくる計画があったことを聞いて、小学生の女の子は「あの道路がここまで伸びていたら、ここはなくなっていたんだね」と感想を話してくれました。
体験工房で焼き物づくり

最後は堤人形体験工房で、粘土と格闘しながら、思い思いの作品を作って楽しみました。

後日釉薬をかけて焼かれた作品。どれもユニークで味わい深い焼物になっていました。
ユニークな作品ばかりです


2015年7月8日水曜日

吉成小復興応援プロジェクト〜交流会を開こう•バスツアー〜


2015年7月7日(火)

 吉成小学校6年生の復興応援プロジェクト。6月2日の視覚言語の練習に引き続き、2回目の授業。津波で被災した仙台市沿岸地域を訪れました。

 梅雨明けにはなっていないものの、見事な快晴に恵まれた日。子どもたちは仙台市若林区荒浜にある観音像の前に集まりました。
 松林周辺や被災した集落の家々の跡、貞山運河など実際に見て感じながら、耳を澄ませて音をスケッチしたり、「音の出る素材」を探して歩きました。鳥の声、波の音、風の音、海岸堤防工事の音…、被災度合いの大きさを感じながら、現在の状況を五感で感じ取りました。
荒浜地区内を各自で見たり耳を澄ませながら歩きました
鳥の鳴き声が響く貞山運河

 次に1組は若林区のニッペリア仮設住宅、2組は宮城野区の福田町南1丁目仮設住宅(敷地内に「みんなの家」があります)にクラス分かれて向かいました。各クラスがそれぞれ練りに練った企画を持ち寄り、交流会を開催し、住民のみなさんとゲームや、歌を歌ったりしながら、一緒に笑いあったり、お話を聞かせてもらいました。住宅の再建が進み、当初に比べて仮設住宅に住む人ぐっと少なくなっているという話でした。
ニッペリア仮設住宅での交流会の様子
 お昼ご飯を農業園芸センターで食べた後は、荒井地区の農家である萱場さんの畑に行きました。まず、「年間通して100種類以上もの野菜を育てている」「季節によって植える種は違う」「津波が来たその年は野菜が作れなかった」など、農家の暮らしや、野菜の旬、震災の被害とその再開の経緯などをお聞きしました。そして実際に畑に植えられいるシソ、バジル、ルバーブ、アーティチョークなど多種多様の野菜を、目や耳だけでなく、舌でも味わわせてもらいました。
 畑の周りの水路の流れや、たくさんのカエルたちにも夢中になりながら沿岸部の田園環境を体感した子どもたち。萱場さんに最後に感想などを伝えるを場面では「震災のときは自分は仙台に居なかった。大変な被害を受けたけれども、このように現在育てているのはすごい。」「いろんな野菜を作っていることがわかった。なによりシソが美味しかった。」という感想が話されました。
萱場さんの畑で野菜を満喫

2015年6月3日水曜日

吉成小復興応援プロジェクト〜オリエンテーション•音スケッチの練習〜


今年で4年目を迎える吉成小学校6年生の復興応援プロジェクト。
昨年5年生の時に地域の音マップをつくった経験がある6年生2クラス64名は、仙台市沿岸被災地の「音」を題材にデザイン学習に取り組むことになりました。

■2015年6月2日(火)
 〜オリエンテーション•音スケッチの練習〜

 この日は授業の初回。
 授業の導入では、亘理町荒浜に実家を構えていたネットワーク仙台の渋谷より自身の体験と、それに加えてネットワーク仙台で関わってきた堤町登り窯と旧丸木商店の再生、吉成小学校の復興応援学習の取り組みを紹介しながら、被災の様子や、子どもたちも関わりながらの復興が取り組まれてきたことを伝えました。
 その最後に、北六番丁小学校4年生(2003年当時)が作成した地域を流れる梅田川を映像と音で紹介するCD「梅田川物語」を視聴してもらいました。梅田川の探検で感じたことを詩にあらわし、その詩に音をつけたり、詩のイメージを切り絵で表現したりした美しい作品にみな見入っていました。
 次に、今後デザインを行うための準備体操として、音を描く視覚言語の練習をしていきました。建築設計を行う際、空間やそのつながりを図形や矢印でつながりを表すように、音も図形や線で表していきます。
 1)クラップ(手を叩く音)、2)スライドホイッスル、3)ウインドチャイムの3つの楽器で、音を鳴らし、スケッチしていきます。一つの楽器ごとに5回音を鳴らし、5回目鳴らし終わるまでに描きます。みな1、2、3、4、5回と、耳を澄ませて、描いていきます。
 スライドホイッスルは難易度が高く、最初「これは難問だ」という顔をしていましたが、それぞれが3つの音のスケッチを仕上げました。次回は、津波で被災した仙台市沿岸部の現場に出かけます。
鳴った音を良く聞きます
3つの楽器の音をスケッチして視覚言語の練習




2015年3月12日木曜日

「蔵で楽しむミニコンサート」を開催しました。


 2015年31日(土)
「うれし楽し蔵deひなまつり」との連携した演奏会です。
 雨の続く寒い一日でしたので出足が心配されましたが、予約されたほとんどの方が見え、築二百三十四年の旧丸木商店さんの店蔵は満席(40名)でした。
 
 
演奏は、ギターとボーカルのボサノバデュオIZUMIさんとJINさんです。 

曲目は
【ボサノバ】
Meditação(瞑想)
Inútil Paisagem(無意味な風景)
Garota de Ipanema(イパネマの娘)
O barquinho(小舟)

【シャンソン】
C'est si bon(セ・シ・ボン)
La Vie en Rose(バラ色の人生)
HYMNE A L'AMOUR(愛の讃歌)
J'attendrai(待ちましょう)
Les Feuilles Mortes(枯葉)

【ジャズ】
I can't give you anything but love(捧ぐるは愛のみ)
Guilty(罪)

【日本の曲】
蘇州夜曲
宵待草

【映画音楽】
黒いオルフェより「Manhã de Carnaval」(カーニバルの朝)
男と女より「Un homme et une femme」(男と女)

~アンコール~
【クラシック】
Ave Maria
入り口はまるで芝居小屋のよう

すてきなひな祭りでした
 JINさんの奏でるギターとIZUMIさんの歌声に皆さんうっとり聴き惚れていました。懐かしい曲、ロマンチックな曲・・。日本の曲もIZUMIさんのアレンジで魅力的に生まれ変わっていました。2階に飾られた江戸時代のおひな様たちもこの演奏を楽しんだことだろうと思います。今年も幸せなおひな祭りでした。
 当日は、IZUMIさんとJINさんの熱烈なファンの方が何人もいらしてました。秋保の秋保・里センターにてライブをされていらっしゃるということなので、春の一日に伺おうかと思います。

 ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。

 

旧丸木商店 天明元年(1781年)建築 市内の町屋として最古



2015年2月15日日曜日

復興応援カレンダーを届けよう


2015210日(火)
カレンダーを作った時の気持ちを発表
6年生は、総合的な学習の時間で「復興応援プロジェクト」として1年間取り組んで学んできたことを、ゲストを招いて感謝の気持ちを込めて発表し、学習の成果として創作した復興の音のカレンダー“吉成小6年復興応援カレンダー”をお世話になった方たちに手渡しました。
3校時が始まる前、ゲストとして招かれた萱場さん、明成高校の高橋先生、ニッペリア仮設住宅の阿部さんや地域の方々、そしてネットワーク仙台のメンバーは、迎えに来た子どもたちに案内されて3階の視聴覚室に行き、素敵に仕上がった復興の音のカレンダーをいただきました。2月から来年の1月までのカレンダーは、ひと月ごとに復興の音をデザインした一人ひとりの絵が56枚ずつレイアウトされています。そして子どもたちが考えたタイトルと言葉が飾られています。例えば3月はタイトル「たくさんの笑顔の花が咲くように」で、ことばは「風から運ばれてくるのは復興を願う想い」。そして“うず”や“分岐”のパターンを使った風の音のデザイン画5枚と音をスケッチしている写真がちりばめられています。
子どもたちは司会の挨拶の後、ゲストの紹介やカレンダーの紹介をして<①なぜこの作品を作ることにしたか、②この作品ができるまで、③仙台白菜を育てて交流、④小学生の私たちができる事>を発表しました。その後みんなで“ふるさと”を歌ったり、2組に分かれて子どもたちが独自に考えたカルタクイズ、クイズアタック25などで精一杯ゲストをもてなしてくれました。
1時間半の楽しい授業はあっという間に終わりました。招かれたゲストの皆さんは校長室に戻ってからもいつまでもカレンダーの感想を讃えあったり、交流のおしゃべりをしたりして名残惜しそうにしていました。
被災した方たちを励まそうとする復興応援の授業は今年度で3年になりましたが、今回も子どもたちの活動に対する感想とともに“復興応援カレンダー”は私たちの忘れえぬ宝物になりそうです。
<子どもたちの感想より>
自治会長さんからお礼のごあいさつ
・この活動は、被災した人たちの心に寄り添うことを目標にした。
・うれしくなる事をすると(してもらう方も)うれしくなると思った。
・最初はどうしてここまでやるんだろうと思ったが、(仮設を訪問した時)1回目は昔の遊びをして笑った。2回目はトランプをして笑った。だれかを笑顔にするには自分も楽しまなければということを学べた。



復興応援カレンダー完成報告会/2015212日(木)
6年生は1組(ニッペリア応急仮設住宅)と2組(福田町南一丁目公園仮設住宅)に分かれて出来上がった復興の音のカレンダーを手渡しながら、仮設住宅の皆さんに自分たちの復興応援に対する想いを伝え、この1年間の取組みで学んだことを発表しました。
 子どもたちは司会からの挨拶から始め、カレンダーの贈呈、紹介、カレンダーにちなんだクイズなどの出し物をして、集まってくれた10名ほどの皆さんに楽しんでもらいました。カレンダーは後ほど各家庭に配布されます。会場でカレンダーを受け取った皆さんは、じいっと子どもたちのデザイン画に見入って感心したように盛んに頷いていました。自治会長の阿部さんから子どもたちにお礼のご挨拶があり、子どもたちと仮設にお住いの皆さんはリラックスしておしゃべりを楽しみました。