2014年9月27日土曜日

復興した堤町まちかど博物館をお披露目


2014917日(水)
 2011年から2012年まで続いた登り窯の修復が完了し、堤焼のカメの転倒防止木枠台の設置や展示品のキャプション製作を終えたばかりのこの日、市民講座「堤町・まち物語」(主催:仙台市三本松市民センター、協力:佐大商店、つつみのおひなっこや、建築と子供たちネットワーク仙台)が開催され、地域住民など23名の方々に復興した堤町まちかど博物館を見ていただきました。
 登り窯の前では、渋谷セツコさんが、藩政時代に足軽の副業として始まった堤焼の歴史や斜面を巧みに利用して作られた登り窯の構造、延べ430人もの人たちが協力して登り窯を修復したことなど復興作業の様子、この復興活動がUIA(世界建築家連盟)建築と子どもゴールデンキューブ賞組織部門最優秀賞を受賞し、南アフリカ・ダーバンでの世界大会で表彰されたことなど話しました。また、佐藤吉夫師匠からは、昭和50年代まで登り窯で堤焼や土管などの焼物を作っていたこと、ひとたび窯に火を入れたら1週間夜通し薪をくべていたことなど、焼物づくりが盛んだったころの思い出を話していただきました。2階展示室では、震災当日、展示室で文化財関係の取材に対応中だった吉夫師匠は、揺れはじめるとすぐに人形展示室に駆け寄り、棚の上に置いてあった堤人形「谷風」を畳の上におろして守ったことや、仙台市の職員とカメラマンとの3人で堤焼のカメを必死に押えて被害を最小限に食い止めたという話に、参加者は感激されていました。
 見学のあとは修復した3房の登り窯を開放してカフェを開きました。窯の中では、焚物の灰が高温で釉薬のようにガラス状になったレンガがロウソクの灯りでピカピカと光っています。この幻想的な雰囲気のなかで、コーヒーと、南アフリカ土産のルイボスティーとアマルーラチョコレートを召し上がっていただきました。
参加者からは、「地域の宝をもっと市民に知らせ、大切に後世に伝える必要を強く感じました」「こんなに近くにこんな素晴らしいまちかど博物館があったなんて...参加して本当によかったです」「建物を保存していくのにお金がかかるし大変であることを知りました。ご苦労さまです」等々の感想が寄せられました。
大勢の人の協力で蘇った登り窯の話を聞く参加者

木枠台に納められた堤焼のカメに見入る参加者

ロウソクの灯りがともる登り窯カフェ

0 件のコメント:

コメントを投稿